はじめに

悪路を軽快に駆け抜けるならレネゲード

次はジープブランドのエントリーモデル、レネゲードですが、それでもトレイルホーク仕様です。コンパクトなボディは見切りが良く、市街地でもキビキビと走る印象があるモデルですが、悪路走破性でもジープブランドとしての走りを存分に発揮してくれました。ラングラーより全長が短く、軽量でコンパクトと言うことを生かして軽快に悪路を走れるのです。

11レネゲード・トレイルホークはコンパクトなボディのシティはSUVですが、悪路でも軽快に走って行けます。

ゲレンデに設定されたルートはやはりぬかるんでいて滑りやすく、藪の中に分け入って走る感じで、途中には石がゴロゴロとしているのですが、それなりに速度を上げられるような場所もあります。装着しているタイヤはサイドにまでトレッドがある、BFグッドリッチのオールテレインというオフロードでのグリップ力が高いタイヤですから、足元の備えも万全です。

コースインとともにギア比を低レンジにする4WD LOWをセレクトします。こちらはそれなりに速度を上げて走れるコース設定なので、ホイールベースが短く、ボディがコンパクトなレネゲードでの走行はストレスがありません。もちろん中間にある開始ポイントからの下りでは、さらに整地の滑りやすいコースをも安定して下っていきます。ダウンヒルで向けのときに威力を発揮するヒルディセントコントロールのボタンも押します。するとスロットルペダルを踏まずとも適切な速度をクルマ側が安定を保つように制御され、ハンドル操作だけで急坂路を降りれるのです。ジープ独自の電子制御による4×4システムが、どれだけ頼りになるかをこのときに実感できます。

見切りの効く軽量ボディを生かして、ガレ場が連続するコースをかなりの速度(それでも20km/hぐらいですが)グングンと駆け抜けることが出来ます。実は今回試したジープ各車の中で、もっとも軽快でスポーティにオフロードを走れたのが、このレネゲード・トレイルホークだったのです。

町中から郊外までごくごく普通に快適に走りながら、イザとなれば高次元の走破性を見せつけてくれて387万円(レネゲード・トレイルホーク)。小さな都市型SUVがとてもたくましく見えた瞬間です。

同時に4WDの老舗、ジープブランドの底力を改めて感じたテストでした。これから迎えるウインターシーズン、あるいは災害時にも頼りになることを再認識できました。

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