はじめに

悪路の王者が本領発揮です

まずチョイスしたのは最強のラングラー・ルビコンです。走り出しは一般路、最近のクルマとしてはそこそこワイルドな操作感と乗り味ですが、不快ではありません。ノーマルよりわずかに硬い印象ですが、街乗りやリゾートでもストレス無く乗れそうです。いよいよ、そこからオフロードに進入します。今回、特別な仕様が揃えられた意味をここで理解します。ラングラー・ルビコンに与えられたルートはチェロキーやレネゲードに与えられたコースよりもさらに過酷でした。

3タイヤのサイド部分にまでブロックを配したオールテレンタイヤも過酷な状況では必須

シーズンオフのゲレンデは背丈を軽く超える草が生い茂り、おまけに天候は雨が上がったばかりで、相当にぬかるんでいます。いくらラングラーを持っていても走りたいとは思わないコースです。斜面の草はこれまで走った人たちによってなぎ倒され、泥以上に滑りやすいところもあります。斜度は10度から30度までと変化に富んでいます。

そんな状況でもルビコンには専用のギア比が与えられた「ロックトラック4×4システム」があります。さっそくローレンジをセレクトして走り出すと、初級者レベルのゲレンデの角度なら苦も無く登って行きます。装着されたタイヤもこうした状況に強いマッドテレインタイヤを装着していますから、ガッチリと大地を掴んでいる感覚が伝わってきます。

徐々にコースの角度は増し、おまけに石がゴロゴロと露わになっているところでも、まさに涼しい顔で登っていきます。ジープの優れたトルク制御のお陰で、タイヤが空転するような場面はほとんどないまま、折り返し地点まで登り切ったのです。

次は中級者コースのゲレンデの下りです。すでに前走車が作った轍に沿って急坂路を下ります。草が倒れ、コースらしきものはあるのですが先も路面も見えません。まさに草藪の中をクルマの走破性だけを頼りに下るのです。当然ですが慎重さは必須ですが、ぬかるみ、滑りやすい草の上、さらには小さな石がゴロゴロとしているガレ場が次々に走り抜けていきます。30度近い下り坂でも、4輪を絶妙に制御して、4輪が路面をガッチリ掴みながらゆったりと確実に降りていくのです。その安心感の高さは驚異です。このテの本格的な4WDにとって重要なのは速くオフロードを駆け抜ける性能ではなく、いかに確実に路面を掴んで不安を感じさせずに走り抜けられるか、ということなのですが、その点においても優れていることが分かります。この世界最高の安心感が612万円(ラングラー・アンリミテッド・ルビコン)と言うのであれば、かなりコスパは高いと言えます。

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