はじめに

雇用回復はワクチン次第か

雇用者数増減の内訳を見てみると、政府関連雇用者数が減少しています。国勢調査に向けた臨時雇用の減少や、大半の学校がオンライン授業に移行する中、州・地方の教育関連雇用者数が減少している影響のようです。新型コロナウイルス警戒で、引き続き、出歩く人が少ないのか、サービス業雇用者数の回復ペースも鈍化しています。

冬到来を前に、例年のインフルエンザ感染拡大懸念に加えて、今年は新型コロナウイルス感染拡大懸念もあり、加えて、米企業からは連日のようにレイオフ発表もあり、米雇用回復ペースの鈍化は必至かもしれません。米雇用回復はワクチン開発の進捗にゆだねられていると言っても過言是は無いでしょう。

また、現在、米共和党と米民主党の間で議論されている米追加経済対策の行方にも注目が集まっているでしょう。議論の長期化や対策の遅れは、さらなる雇用者数減少につながる可能性が高いと思われます。

いつもの相場だと、米非農業部門雇用者数が予想よりも悪いと、為替相場はドル売り反応、米金利相場は米国債利回り低下となるのですが、今回は一方的な方向に動くことはありませんでした。

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米非農業部門雇用者数が予想よりも悪かった一方で、家計調査に基づく米9月失業率は、市場予想の8.2%に対して7.9%と大幅改善となりました。9月の記事でも述べましたが、この失業率については、新型コロナウイルス感染拡大状況において、「雇用されているが休職中」との分類が、データのゆがみにつながっているようです。ゆがみを除くと約8.2%くらいでしょう。

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