はじめに
ゆとりある走りと乗り心地
目の前に登場したハンターカブですが、スーパーカブより二回り、クロスカブよりは一回り大きく見えます。実際のサイズを比較しても、全高以外はハンターカブの方が数値は大きく、骨格もガッチリとした印象です。シート高は800mmありますから、実際に跨がってみると、信号待ちなどでは気を遣う場面もありました。
このシート高ですが、ベースとなっているスーパーカブC125が780mm、クロスカブが784mm、そして同じホンダのビッグバイクCB1100が780mmとなっていますから、やはり高いといえます。ただ、足つきの良し悪しはシート形状などによっても変わりますから、立ちゴケを心配するような足つき性ではありませんでした。
シート高はありますが形状などで足つきにも拝領しています。大型で座り心地は快適です
そんなことを感じながら走り出します。車重は120kgあり、クロスカブよりも14kg重いのですが、その分排気量は124ccでパワーも8.8馬力(クロスカブは109cc、8馬力)と力不足は感じません。いえ、むしろ重さとパワーの関係で走りは重厚さが増した感じで、ゆとりを持って走っている感じです。都内を抜けるまでの混み合った道路でも、流れに乗り遅れるような印象もなく、ゆったりと走って行けるのです。このゆとりがあるだけでも疲労感はかなり少なくなります。
おまけに前後ともにディスクブレーキを装備し、前輪にはABSが装備されています。一般路でのブレーキの安定した効きは本当に安心感があります。
フロントにはABS付きディスクブレーキが標準装備です
もちろん、ハンターカブが得意とする林道やオフロードでは、浮き砂などの滑りやすい状況もありますから、さらに威力を発揮するはずです。ただ、出来るならばABSなどは作動させないライディングを心掛けたいものですが、転倒リスクを軽減できるという点では本当に有り難い装備です。
さてクルマに溢れた混雑を抜け出し、郊外の田舎道をトコトコと走り出すと、快適そのもの。クルマなら車内に音楽を流しながらですが、バイクは音楽など無くても十分に楽しいのです。風切り音やエンジン音、そして風の臭いなど周囲の色々な状況がつねに変化していく様を全身で思いっきり感じながら、心地よく走れます。思わず気持ちいい!と叫びたくなる瞬間です。