はじめに
2人目、3人目の子どもが授かった「お父さんたちのデータ」が示すこと
今回使用するデータは、厚生労働省の人口動態調査の1975年から2018年の43年の推移データです。全出生についてのデータですので、母集団がおかしいということはなく、まさに「日本の出産の真実の姿」といえます。
下のグラフをご覧ください。
よくメディア・行政情報などでは、グラフの中の女性だけの「第一子平均出産年齢」情報が取り上げられ、日本の女性は1975年では25歳で産んでいたが、今は31歳まで6歳も出産年齢が上昇した、晩産化したものだ、という情報が報じられます。目にしたことがある読者も多いのではないでしょうか。
問題なのは、この情報だけをみても、男性の年齢が欲しい子どもの数と関係があるか、お父さんの年齢について何か統計的なエビデンスがあるかどうかということが全くわからないということなのです。
「今の女性は平均31歳で産んでいるのだから、アラサー女性と結婚すれば、まず1人目の子どもは授かるってことだ」といったイメージだけを男性がもつことになります。
それ自体は間違った情報ではないのですが、これは単に「子どもが1人欲しいなら、お母さんの年齢はそうかもしれない」というデータです。
女性ではなく男性が子どもを欲しいと思っている場合には、何をベンチマークに結婚年齢を設定したらよいかは何もわからない情報といえますので、男性の婚活の情報としては不十分です。
ここまでを読んでもうお分かりの方も多いかもしれませんが、子どもが欲しい男性が得るべき統計情報は、グラフにある父親の「平均出産年齢」データなのです。