はじめに

ポイント1:コミュニケーションの範囲を広げる「非公式なやりとり」

在宅勤務が多くなると目的外での会話が減るため、コミュニケーションをとる人が限られてきます。

オフィスへ出社していた時には、たまたま近くにいる先輩に相談をしたり、案件が未確定なうちから関連部署に声をかけたりすることができました。しかし、在宅になると直接会話をするためには、社内でもアポイントを取る必要が生じます。

結果として、直接仕事に関わるメンバー以外との交流範囲が狭まり、非公式なやりとりが減少します。積極的に自分からアプローチすることが苦手なメンバーが仕事の相談ができず問題を抱えこむケースも出てくるでしょう。

対策として、組織外を含めた任意参加でのオンライン上のディスカッションの場を設定している企業があります。例えば、テーマを掲げた部門横断での業務に関係する勉強会や、ランチタイムでのテーマを決めない雑談方式の座談会などです。

いきなり大人数での実施をすると調整にパワーがかかるだけでなく会話もしづらくなるため、最初は小さな単位での場を設定するのがコツです。

また、社内でのSNSグループを作って質問や相談が気軽できるシステムを作り、不特定のメンバーに質問を投げかけ、回答できる人が返信するという相互支援を行っている組織もあります。

オープンな場に投げかけをすることで、迅速な対応ができるとともに、ノウハウがストックされていくというメリットもあります。

ポイント2:コミュニケーションの頻度を増やす「上司と部下の1on1面談」

直接仕事での協働がなくても、毎日顔を合わせていたチームメンバーが、リモートワークになって会議の時にしか顔を合わさなくなります。

上司もメンバーの顔色や状況を見ながら声をかけることや相談に乗ることができますが、物理的に顔を合わせる機会が減ることによって、仕事の状況、体調やメンタル面での不調に気づかないことがあります。

特にプロジェクト制などで、それぞれのメンバーが個別の業務を行っている場合などはお互いの状況が見えづらく、注意が必要です。

対策として、定例のコミュニケーションの場を設定することが有効です。最近は、上司と部下での1on1ミーティングを導入する企業が増えてきました。これは、1~2週間に1度上司部下の1対1での打ち合わせの場を設定しておき、好きなテーマについて話し合うことができる仕組みです。

業務上のトラブルやプライベートの悩みなど、大勢のいる場では相談しづらいことであっても話をしやすくなります。ビデオ会議や電話であっても、1対1であれば相手の状況や表情も把握しやすくなるので、問題を溜め込む前にタイムリーに対応することが可能となります。

また、担当業務によって接する頻度に偏りがある場合も、定例の場を設定することで偏りが解消しやすくなるというメリットもあります。

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