はじめに
ポイント3:コミュニケーションの品質を高める「気分や気持ちの可視化」
ビデオ会議や電話でのコミュニケーションは対面と比較して伝わる情報量が少なく、特に表情など「非言語情報」が伝わりにくいと言われています。相手の反応が読み取りづらく、一方的な情報伝達になりやすいため相手の感情にも配慮する必要があります。
また、大人数の会議ではアジェンダを明確にして効率的に進めるあまり、事務的で硬い雰囲気になりやすく、話しづらさを感じるメンバーも出てきます。会議の際に、話す人と聞く人が対面の時以上に分かれると、建設的な議論やチームでの一体感が生まれにくくなります。
対策として、会議の冒頭・最後に「チェックイン」「チェックアウト」という気持ちや感想などを一人ずつ発言する機会を設定することで、参加意識を高め、発言しやすい雰囲気を作ることができます。
ビデオ会議の場合には、できるだけビデオをオンにして互いの表情が見える中で会話をするのも心理的な安全性を高めます。また、遠隔でのコミュニケーションでは伝わりづらい非言語情報を言語化することをお勧めします。
言外に伝わりづらい要素を補う工夫を行っている組織もあります。グループ会議の事前共有に、自らの状況を表情や天気図のアイコンで表すフォーマットを導入した例です。「仕事はスケジュールどおり進んでいるけど、何となく不安があるので曇り」というような、言語で表現できない「行間」を伝えやすくなるというメリットがあります。
このように組織内コミュニケーションの範囲、頻度、質の3つを意識することで、リモートワークでのコミュニケーションを円滑にし、組織の生産性を高める余地があるはずです。
まずは、自分たちのチームでも実施できるところから着手をしてはいかがでしょうか。