はじめに
世界的な金融緩和で市場にマネーが溢れている
世界的な株高の背景には、コロナショックへの対応として緊急的に行われた金融緩和の影響が大きくあります。
米国では3月にゼロ金利政策の再開と買い入れ資産の拡大の両面から緩和が行われました。2019年途中まではリーマンショック後に膨らんでいたバランスシートの縮小を進めていましたが、コロナウイルスの発生により緊急的に金融緩和を再開。4兆ドル近辺で推移していたところから一気に過去最大の7兆ドルへ資金供給を拡大しています。
また日本においてはすでにマイナス金利政策を導入しているため、金利の変更はされていないものの、アメリカと同様に市場への資金供給を強化しており、9月末には日銀当座預金の増加を背景にマネタリーベースが初の600兆円を超えました。
金融政策は景気のサイクルに合わせて緩和と引き締めが繰り返されるため、株式市場にとって気になるポイントは今後やってくる金融引き締めの影響です。
2018年にアメリカを起点に一時マーケットが調整局面に入ったのはFRB(連邦準備理事会)による利上げと資産の圧縮による金融引き締めの影響でした。いままでの歴史を振り返ってもアメリカは景気に合わせて金融政策を方向展開してきました。
FRBは3年先まで緩和策を続けると発表しているためすぐには考えられませんが、今後の金融引き締めによっては、行き過ぎた株価が急速に逆回転する可能性は十分に考えられます。
では日本ではどのような点がポイントとなるでしょうか。日本銀行が進めるETF(上場投資信託)買いについて見ていきましょう。