はじめに

優先すべき保障は、経済的リスクの大きいものから

ランキングの1位・2位は、死亡保障です。当然ながら、死んだ時のリスクは一番大きいと言えます。たとえば、小さなお子さんがいる家庭で、働き手である夫(または妻)が死亡すると、残された家族は経済的にとても困ってしまいます。遺族基礎年金、遺族厚生年金などがありますが、それだけでは足りません。子どもの教育費や生活費を考えると最低でも2000〜3000万円の費用を準備する必要があります。しかし、通常これだけのお金をすぐに用意することは難しいですね。ですから、保険を使って準備をする必要があります。

3位に入っているのは、生存保障の保険です。働けなくなったときに生活費を保障する保険です。会社員などの場合には傷病手当がありますが、それでも住宅ローンなどがある人は、収入が減ってしまうと困ってしまうことがあります。所定の就業不能状態になったときに毎月年金のように保険金を受け取ることができると助かります。とくに自営業者やフリーランスなどには、備えておきたい保険です。

4位の医療保険というのは、もっとも人気のある保険ですが、じつは優先度の高い保障ではありません。保険のプロの方も、医療保険には加入していない人も多いのです。ちなみに私も医療保険には入っていません。

なぜ優先度が高くないのかというと、経済的に大きなリスクではないからです。もし病気で入院したとしても、健康保険で自己負担は3割ですし、高額療養費制度があるので、一般的な所得の人は月額9万円ぐらいしかかかりません。最近は入院が短期になっているので大きな負担にはならないのです。ならば、保険ではなくむしろ貯蓄で備えるのが合理的な考えです。また医療保険は入院限度日数が60日型が多いので長期の入院には対応できていません。

5位のがん保険は、医療保険のなかで、「がん」だけに対応した保険です。がん治療も健康保険が使えるし、高額療養費制度も使えるので、治療費という意味では、それほど必要性は高くありません。しかし、がん治療の場合には、抗がん剤治療・放射線治療など長期に渡る治療が必要になることがあるのです。その場合、仕事を休業したり退職をしたりするリスクもあり、収入が減って生活費に影響が出る可能性があります。その時こそ、がん保険が役に立ちます。そういった意味では優先度の高いジャンルになるのです。

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