はじめに
つきあう条件、結婚したい条件など相手に望むものは人によって違います。つきあい始めてからも、ぐっと惹かれる瞬間があったりするもの。ちょっと無愛想な人だと思っているところに意外な優しさが見えれば女性は心をつかまれます。でも、その心惹かれる点が性格以外だったら……。
なかなか恋愛ができなかった
「20代のころは少しはちやほやされたんです、私」
ヨリコさん(38歳)はそう言う。今でも整った顔立ちが目を引く女性です。20代にちやほやされたのはウソではないでしょう。でも彼女は自分が心から好きだと思える人には、なかなか出会えなかったと言います。
「遊び相手のチャラい男が寄ってきちゃうんです。私はまじめにつきあいたいと思っているのに。友人は『派手な服を着るから遊べると思われちゃうのよ』と忠告してくれましたが、自分の着たい服を着ないなんて私にはできない。だから20代は妙な男性に騙されては女友だちに救われるという日々でした」
20代後半からは仕事がどんどん楽しくなり、恋愛なんてなくても生きていけると思っていました。ところが32歳のとき父親が急逝します。
「父は私に自由に生きろと言った人。だけど私は孫も見せてあげられなかったと悔やみました。私、ひとりっ子なんです。北陸に住む親はいつでも私の味方でいてくれたけど、地元の友だちはもうみんな結婚して親に孫を抱かせてあげている。父がいなくなって初めて、真剣に結婚を考えました」
実家にひとり残る母には孫を見せてあげたい、母に東京に来てもらうことも視野に入れ、ヨリコさんは婚活を始めました。
「結婚相談所に登録してパーティなどにも行きましたが、なかなかピンとくる人がいなかった。35歳になったときはちょっと焦りました。でもこればかりは妥協するわけにもいかない。30代前半はけっこうつらかったです」
そんなとき、仕事がらみで参加した研修会で、彼女は運命の人に出会いました。