はじめに
インデックスを「コア」、個別銘柄を「サテライト」とする投資を
――日本の個人投資家はどんな戦略で2021年の米国株相場に向き合うと良いでしょうか。
岡元:米国は人口が長期的に増えていく上、世界をリードする経済大国で、長期的な目線で投資するのに最も適した対象です。S&P500やナスダック100といった主要指数に連動する投資信託を毎月積み立て、これを資産形成の「コア」としていきましょう。
個人投資家は、相場が上昇すると「高値づかみをするのでは?」と不安になり、下落すると「もっと下がるのでは?」と感じて投資ができないことがあります。しかし、そんなことを言っているといつまでたっても資産を増やせません。
ベストな投資タイミングは後になってからでないとわかりませんが、だからこそ分散して購入し、とにかくポジションを作っていくことで上昇の恩恵を受ければよいのです。
マネックス証券では、毎月積み立てだけでなく、毎日の積み立て投資にも対応しています。毎月の積立と毎日の積立はどちらが有利なのかはわからないので、私はその両方を試しているところです。その結果は動画で配信していく予定なので、ぜひそちらもご覧になってください。
ただ、淡々と指数に積み立て投資をするだけではつまらないという人もいるでしょう。こうした方は、「サテライト」として、少額の資金で個別銘柄やテーマETFの短期トレードにもチャレンジしてみてください。投資テーマについては、クラウド、水、クリーンエネルギー、サイバーセキュリティなどに注目していますが、皆さんご自身が有望と感じる対象でOKです。
また、2020年はIPOが400社超とITバブル以来の活況でした。12月に上場した民泊のエアビーアンドビーの時価総額は日本円で10兆円に達するほどIPO市場が盛り上がった1年でした。
新しい年にも有望な銘柄や大型案件が多く出てくると予想され、年前半にはマッチングアプリのバンブル、オンライン買い物代行のインスタカート、モバイルゲームのアップラビンなどの上場が期待されます。
こうしたIPO銘柄で興味を惹かれるものがあれば、サテライト用の資金で投資を検討するのもよいでしょう。