はじめに

加速しながらも安定の走り

次にワインディングに乗り入れてみると、トルクフルな加速感を随所に感じながら軽快に走っていきます。前後にある2基のモーターを合わせたシステム最高出力が408PS(300kW)、システム最大トルクは664N・m(67.7kgf・m)ですから、その加速性能とクワトロによる安定した加速性は、スーパースポーツ並といえるのです。

さらに重量物が床下という低い位置にありますから、コーナリングは左右への傾きも少なく、フラットで安定した姿勢で駆け上がります。ホイールベースが長いのでスポーツカーのようなクイックさではないのですが、ステアリングの操作に正確な反応を見せながら、自然な切れ味を見せるのです。

イエローのブレーキキャリパーがスポーティな雰囲気を盛り上げます

下りでは回生ブレーキがもっとも強く働く“走行モード”にセット。アクセルペダルの操作だけで加減速できる日産の“ワンペダル”とまでは言いませんが、フットブレーキにそれほど頼ることなく、平和に降りてくることが出来ます。そのままの設定で市街地に入ってみました。前車との車間距離にゆとりさえあれば、ギリギリワンペダルでもイケそうですが、さすがに最後はちゃんとフットブレーキを踏んで停車しました。

こうして市街地から高速、そしてワインディングと少々走りました。フル充電からのロングテストではなく、60%ほどのバッテリー残量からスタートし、全行程100kmほどを走る短時間のテストでした。そんな状況でテストを終え、平均電費は3.8km/kwh。テストですから少々無理な走りもした結果です。

仮に満充電の95kWhから走り出したとすると、95kwh×3.6km=342kmという総走行距離となり、カタログ値を大きく下回ってしまいます。一方で、ごく普通に走った知人のデータによれば平均電費は4.5km/kwhでした。これならば総走行距離は427.5kmとなり、カタログ値は達成できる計算になります。

ボンネットを開けると充電コードなどを入れるボックスやコントロールユニットなどあります

当然ですが、電費はガソリン車の燃費以上に、走り方やエアコンを始めとした電装品の使用頻度に大きく影響を受けます。その覚悟の上で、極上の静粛性とインテリアの上質感、そしてBEVでアウディのお洒落なイメージを手にするための価格は1,327万円(e-tron Sportback 55 quattro 1st edition)です。そして最近、933万円からという「e-tron 50クワトロ」が新たに仲間入りしました。バッテリー容量は71kWh、満充電から316km走行可能、車両重量2,400kgと、ちょっぴり軽量級のモデルです。こちらのテストと、そして現在のBEVが抱えている充電インフラなど数多くの問題については機会を改めてレポート予定です。

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