はじめに

飛び級制度で、学校以外の教育支出が減る

フランスでは、小学校から「飛び級」と「留年」の制度があるため、子供に合わせて学習速度を変えられます。習熟が早い子供はどんどん飛び級し伸びて行けますし、反対にゆっくり学ぶ子供は、もう1年じっくり勉強することが可能です。

地域の公立校に子供を入れさえすれば、保護者の収入とは無関係に子供の学習速度に合った教育を与えられる。つまり、勉強が得意な子供に合わせて私立への進学を考えたり、授業をカバーするため学習塾に通わせたりする必要が少なくなるということです。このため、「学校外活動費」がかからないのです。

親にとっては安心を得られます。子供にとっても、親の経済状況とは無関係に進路を決められ、自由と自立を獲得できます。

飛び級、留年のデメリットも

当然のこととして、「飛び級」と「留年」の弊害もあります。一般的に言われるのは、特に飛び級をした子供の年齢差が、クラスメイトとの友達付き合いに与える影響です。

幼稚園から高校まで11カ国の生徒が集う、パリ郊外にあるリセ・アンテルナショナルの幼稚園教員によると、「児童が学ぶことは読み書き算盤だけではなく、友達との交流の中で人間形成がされることを無視してはならない。幼い児童にとって1歳の差は精神的・身体的に非常に大きい。本人に膨大な努力を強いる危険性があることを、保護者や教員は理解するべきだ」と意見を述べます。

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