はじめに

「学校教育費」の負担少ないしわ寄せも

フランスは、学校教育費の負担を家庭に頼らない仕組みとなっていますが、良い面ばかりではありません。

例えば日本の小学校は、図工などの授業で銅版画や切り絵など特別な道具と材料を使った工作を体験します。ところがフランスの小学生は、家庭の不用品を持ち寄ってみんなで分け、それを材料に工作をします。

美術大学に通うマリオンさんは「ダンボールで作品を作るアーティストは確かに存在するが、予備知識も経験もない子供がゼロから面白い制作をするとこは難しい。この点では日本の教育をうらやましく思う」と感想を語ってくれました。

お金をかけないと良い教育が受けられない?

教育費負担を家庭に求めないフランス。より充実させるために支出が多くなってしまう日本。それぞれに長所と短所はありますが、教育費が子育ての障害になったり、子供の自由と自立を阻む原因になったりしては問題です。

無償の理想を掲げた日本の義務教育ではありますが、今や進学塾へ通うこと、一貫教育の私立校に入学すること、つまり無償であるはずの義務教育や公立校の不足を家庭が補うことが、より優れた教育のために必然という認識が定着してはいないでしょうか。

フランスの教育制度は、諸問題を抱えつつも、「教育は万人に無償で開かれるべきだ」という大義名分をなんとか維持しています。日本でも、子育て世代のため、そして子供自身の自立のために、社会基盤としてのさらなる教育制度の充実が求められていると感じています。

〈文:Keiko Sumino-Leblanc / プレスイグレック〉

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