はじめに

昨年、「結婚難民の羅針盤」シリーズで「子どもは2人欲しい」婚活男性が知っておくべき「35歳」の壁という記事を書いたのですが、大変多くの方に読んでいただき、参考になったとの感想をいただきました。

高齢化社会での結婚や出産において、よく目にする「平均出産年齢」と実態(統計的なピーク)年齢にはどうしてもそれなりの差が生じてしまいます。
そしてこの差は、ピーク年齢よりも平均年齢を高くする方に発生します。

どうしてでしょうか?

女性は16歳、男性は18歳から婚姻届が提出できるということからも、実際の結婚や出産のピーク年齢から極端に若いほうで発生しません。その一方で、ピーク年齢よりもはるかに高い年齢での結婚や出産は発生することが可能です。この、平均年齢からかけ離れた高い年齢で起こる、しかし実際は確率の低い出産が、全体の平均値を「高齢側にずらす」傾向となるのです。

そこで、今回は「統計結果が示す結婚や出産のピーク年齢は、高齢化社会においては平均年齢より若い年齢となる」点について、「男性が2番目のお子さんを授かる年齢」を例にとって、詳しく可視化してご紹介してみたいと思います。また、統計的な結果からいえる「結婚相手となる女性への年齢希望の出し方(マナー)」についても最後に触れてみたいと思います。


男性の第2子授かり年齢のピークは33歳、その後は急減

今回使用するデータは、厚生労働省「人口動態調査」の出生データ(全数)です。
図表は縦軸が2番目の子どもの出生数(実子)、横軸が2番目の実子を授かった父親の年齢となっています。

2018年に生まれた第2子(実子)の数は33万3,385人でした。

その父親の年齢の第2子授かりピーク、つまり2番目の赤ちゃんのお父さんの年齢で最も多かった年齢は33歳(2万5,145人)です。
以前のコラムでお示しした父親の第2子平均授かり年齢は34.6歳だったことから、やはり平均年齢>ピーク年齢となっていることがわかります。
平均年齢よりも若い年齢で、すでに第2子授かりのターニングポイントを迎えていることがわかります。

上の棒グラフは大変綺麗な山の形を示しています。男性の第2子授かり年齢に、33歳をピークとする前後で明確な「授かり時」があり、その後は急減していくことがみてとれます。

具体的にみてみると、第2子の最も若いお父さんは18歳です。そして、第2子のお父さんの5人に1人(19.9%)が29歳までのお父さんとなります。そして3人に1人(33.1%)は31歳までのお父さんです。

「それって、1人目子どもの時の年齢じゃないの!?」と言いたくなる男性も多いかもしれません。しかし、これが第2子を授かったお父さんたちの現実の姿です。
33歳と34歳の間で半数を超えます(中央値)ので、2番目のお子さんのお父さんの半数は33歳までのお父さん、ということになります。

もし、自分が今30代前半で「子どもは2人欲しい」と思って婚活している男性は、すでに2人目を授かるピーク年齢に「自分が」達している年齢である、という認識をもって頂きたいと思います。

数字グラフからは、2番目の子どもを授かっているお父さんの8割が38歳までのお父さんとなっていますので、男性といえども、自分が30代後半になったならば、「子どもが2人欲しいから若い女性を」と結婚相談所で相談してみても「はいそうですね、大丈夫だと思います」と言ってもらえるわけにはいかない、一般的な2番目のお子さんを持つお父さんたちの年齢分布から考えて難しい、ということを理解しておくことが大切です。

33歳が第2子目のお父さんのピーク年齢とすると、第1子目との授かり間隔を母体に無理のない間隔で最低2年程度、と考えると、31歳あたりまでに第1子を授かっていないとピーク年齢には間に合いません。これに婚活・交際・結婚準備・妊娠期間をあわせて引き算すると、最速でも第1子を授かるまでにさらに2年はかかるでしょう。ピーク年齢で第2子を授かるのは20代の男性、という結果になるかと思います。

上と同じ計算で、既婚男性の方はさておき、婚活中という男性は、大急ぎで結婚希望が叶うとしても、実際に2子目を授かったお父さんたちの年齢から4歳は引き算した年齢で自分の可能性を確認しなければなりません。

このような状況から考えると「自分は第2子が欲しいので!」と第2子希望を結婚前に「相手の女性に堂々と語れる」のは、統計的には遅くとも30代前半までの男性である、ということができると思います。

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