はじめに

加速と音が織りなす官能の世界へ

走りに関してはクーペよりも100kg前後重いことでコーナーからの再加速時などの立ち上がりでは一歩見劣りする部分はあるかもしれません。しかし、それを補うだけの十分過ぎるほどのパワーをコンバーチブルは搭載しています。5リッターのV8エンジンは477PS(351kW)の最高出力と540N・m(55.1kgf・m)の最大トルクを発生します。これをダイレクトなフィーリングを持つ10速ATで操るわけですが、アクセルを踏み続けることでエンジンの回転は車速に合わせてスムーズ、いやパワフルに上がっていきます。これにプラスされるのが「音」の部分です。まるで精密機械に魂が宿ったような音の高まりはドライビングの楽しさを演出してくれますし、一方でアクティブノイズコントロールによりこもり音を低減したり、ルーフやシートにも吸音機能を持たせてあります。

メーター内に表示される開閉状態。開き始めはルーフがまだ頭上にあることがわかります

また気になるオープン時における風の巻き込みについてもウインドディフレクターが市街地では効果的です。ただオープン状態で高速道路などを走るのであればディーラーオプションで設定されているウインドスクリーンをオススメします。価格は13万2,000円と決して安くはありませんが、オーナーになるならばこの位の出費は余裕なのかもしれません。

最後にLC500コンバーチブルは目に見えない部分に軽量素材や補強を行うことでオープンモデルとは思えないほどの高い剛性やバランスを実現しています。車両価格は富裕層でなければ手が出ない1,500万円ですが、将来のリセールバリューの高さや希少性、また輸入車とは違う世界観を堪能したい人には魅力的な1台であることは間違い無いのでしょう。

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