はじめに

感動の走行フィール

MX-30 EVに搭載されるモーターの出力は最高出力145PS(107kW)最大トルク270N・m(27.5kgf・m)。モーターの特性上、チューニング次第で制御自体をきめ細かくできる点やペダルを踏んですぐに最大トルクを出すことができるなど、車種によって様々です。

MX-30 EVに乗って感じたのは「スペックなど関係無い」と思わせるほど気持ちの良い、言い換えれば人間が「こう走りたい」という感覚に見事に応えてくれている点です。

正直、最初はそれほど期待していなかったのですが、乗って驚き!滑らかな加速は当たり前ですが、発進から追い越しまでクルマの全てに一体感を感じる仕上がりです。

18インチアルミホイールは最上位グレードのみ「高輝度ダーク塗装」となります

これにはマツダが誇る車両運動制御技術である「GVC(ジー・ベクタリング・コントロール」をEV用に進化させた「e-GVC Plus」が搭載されている点、またそもそも重量のあるバッテリーをボディと強固に結合されるなど、その他にも足回りのチューニングetcにより、マイルドハイブリッド車よりも剛性も含めて圧倒的とも言える補強が施されています。

カラーマテリアルの品質の高さも魅力。最上位グレードは2種類から選択できます

少々難しいことを書きましたが、ひと言で言えば「高級車」と言っても過言ではないほどの仕上がりです。

静粛性に関しても元々EVですから静かなのは当たり前としても、フロアカーペット周辺に二重の壁を設けたり、ロードノイズも抑え込んでいます。今回の試乗車にはBOSE製のオーディオサウンドシステムが搭載(最上位グレードは標準装備)されていましたが、この静かな環境においても専用チューンされたBOSEサウンドがいい感じで室内を満たしてくれます。チェック用にいつも準備している管弦楽などを聞いても弦の震えや余韻、また奥行き感もうまく表現できており、このクルマにはピッタリと言える装備であることを再確認しました。

なぜか音がする、その秘密は

MX-30 EVにはアクセルペダルがありません。いや、正確に言えばマツダはこれを「モーターペダル」と呼んでいます。意のままに操ることができる、言い換えれば車速や車両の姿勢を思い通りにコントロールできることを実現するために電動モーター制御によりこれを実現しました。この辺もエンジニアのこだわりを感じます。

コンソールが少し高めに設置されているのでシフトの操作も非常に楽に行えます

そしてユニークなのが静粛性の高いEV車でありながら、モーターペダルに連動してサウンドを発する機構を搭載している点です。

そもそもエンジンサウンドを持たないEVではただ静かなだけで無意識に加速を続けることに関しては危険が伴う場合もあります。そこでマツダは単に音を加えるのではなく、モーターのトルクの変化を完全に同期させた周波数や音圧を計算しドライバーにエネルギーの変化を認知出来るシステムに仕上げたとのことです。

非常に理論は難しかったのですが、要は静粛性も犠牲にせず、それでいて自分がとのように走っているかを聴覚的にも感じられるという理にかなった仕組みになっていました。これに関しては手元で車速や回生量のコントロールを容易にするパドルシフトを含めてぜひディーラーで試乗してもらうことが一番と感じました。