キャリア

Uberが進まない国でひそかに拡がる“ライドシェア”の今

物流版配車サービスの可能性を探る

中小運送事業者の空き供給能力は意外と大きい

現在、物流業界と聞くとヤマトやアマゾンの「人手不足」問題がイメージされます。荷物の量が年々増加し、とにかく運ぶ人が足りない。宅配便の運転手の求人倍率は2倍を超えていて(産業界全体では1.25倍程度)、必要な求人が埋まるとは到底思えない人手不足の状況が続いています。

しかし荷物を運ぶトラックの実体はそうではありません。たしかにヤマトや佐川といった大手では、配送キャパシティはいつもいっぱいいっぱいのことが少なくないのは事実です。しかし業界全体で見ると、トラックの積載率は4割程度と、半分以上の空きが存在しているのです。

逆に言えば、ヤマトが運送能力を上げるためには新しく人を雇うよりも物流分野のライドシェアを利用した方が早道です。なぜならヤマト以外のトラックは荷台に空きがいっぱいのままで都内を走っているのですから。

空きが大きいのは主に中小の運送会社で、その意味では物流業界でのライドシェアは理にかなった解決策です。物流業界全体にとって、思わぬ救世主になるかもしれません。

個人がドライバーとして運送に参加するチャンスも

最後におもしろい着眼点のビジネスがあるのでご紹介しましょう。バイク便のセルートは配送アプリ「DIAq(ダイヤク)」の配送人登録をプロの運送会社だけでなく一般の人にも拡げ始めました。

実はバイク便のなかで原付を使った配達には運送事業者としての届け出が不要なのです。つまり原付のユーザーは個人でも空き時間があればバイク便の仕事を引き受けることができるのです。

メールが発達した現在でも、バイク便を使わなければいけない場面はけっこう多くあります。契約書を急いで届けたいとか、出版業界のようにゲラや原稿を受け渡さなければいけないとか、書類を数時間のうちに届けたいというニーズは常に存在します。

翌日配送で構わなければ宅配便やレターパックなどを使って数百円のコストで送れるところですが、バイク便は急ぎのサービスですから運送距離の割に料金は高めに取れます。たとえば私の新宿の事務所から飯田橋の出版社まで書類を運ぶ場合、距離は9キロですから4,000円程度の料金がかかります。

セルートの仕組みに登録すれば配達料金の2割が会社の取り分で、残りが登録したあなたのものとなります。そう考えると物流版のライドシェアビジネスに個人がドライバーとして参加するUberのような未来もあながちないとはいえないですね。

Uberといえば白タク的な利用ばかりが注目されていますが、少なくとも日本ではこのような物流領域のほうが先にビジネスチャンスが拡がりそうです。まだ参入が少ない今、未来に急成長するチャンスがひょっとするとそこにあるかもしれません。

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