はじめに

車市場全体は早ければ来年には回復すると予想

好調な中古車市場に比べ、新車市場は昨年から今年にかけて製造・販売の両面で厳しい状況が続いています。新車市場の販売が滞れば、めぐって中古市場への供給も減ってしまうため、中古車市場もこの先が手放しに明るいわけではありません。ですが、生活における車の必要性が高まっていることも事実です。

「車市場全体として昨年は一時的なマイナスがあったものの、さまざまなポジティブな要因から早くも回復の兆しを見せています」と西村さん。今年の車市場が飛躍的に大きく伸びることはないにせよ、早ければ2~3年ほどで盛り返すと予想します。

「これまでも災害があったときに一時的な車中生活を経験した方が話題になることがありましたが、それらは被災地に限った話でした。しかし今回のコロナ禍は世界中の人々が経験しています。リモートワークを車内でするといった、走るだけではない車の使い方が多くの人に認知されるようになりました。車の新しいニーズが今後増えていくと考えられます」(西村さん)

これまでコスパや燃費などだけで捉えられていた車が、それ以外の価値を見直され始めたことは間違いないでしょう。さらに新車は、国際的な脱炭素の動きからEVなどの環境対応車が続々と発表されています。新車も中古車も様々な可能性を見出せる、車業界は新しい時代に入ったといえるのではないでしょうか。

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