はじめに
経済産業省と東京証券取引所が2021年6月、デジタル技術を活用して業務や経営を変革し、企業成長につなげている上場企業28社を、「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」として選定しました。選定企業のうち、日立製作所(東京都千代田区)と、不動産テック企業のSREホールディングス(同港区)がグランプリに選ばれました。
DX銘柄は、先進的なDX施策に取り組む企業をPRする狙いで創設された国の顕彰制度です。2015年から毎年上場企業を対象に調査、結果を発表しており、前身の「攻めのIT経営銘柄」を含めて今回で7回目を数えます。
今回は経産省の調査に回答した企業464社を選定対象とし、アナリストや監査法人代表など有識者7人でつくるDX銘柄評価委員会が、DX施策の企業価値貢献やDX実現能力などを評価指標に、業種ごとに1〜2社を選定しました。
DXグランプリ2021・DX銘柄2021選定企業/出典:デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2021
グランプリは日立製作所とSREホールディングス
注目すべきは、選定要件に2020年5月に施行された改正情報処理促進法に基づくDX認定制度に申請していることが条件に加わった点です。同認定制度は、デジタルガバナンス・コードの基本的事項に対応した企業を国が認定するものであることから、今回の選定企業28社はこれまで以上にDX推進に強い意識を持っていると考えられます。
DX推進により高い意識を持っていたとみられる今回の選定企業はどのようなDX施策に取り組んできたのでしょうか。グランプリに選ばれた日立製作所とSREホールディングスの2社に絞り、取り組みをご紹介します。