キャリア

個人投資家に共通 安値で買っているつもりが高値の落とし穴

FPの家計相談シリーズ

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は深野康彦氏がお答えします。

昨年、マイホームを購入することができ、長期の貯蓄を真面目に考え始め、積立投信を債権、株式のインデックスで平均的に月10万円ずつ始めました。そこで質問ですが、書籍などでは「毎月5万円、ボーナス20万円などで積立」とあるのですが、ボーナス分を毎月に割り当てたほうが、リスクが分散されると思うのですがなにか理由があるのでしょうか。
(30代前半 既婚・子供あり 男性)


深野: 投資信託の積立を行う大きな理由は「時間の分散」です。投資タイミングを考えて、安値で買おうとするのは個人投資家に共通する傾向ですが、実際には高値で買っていることのほうが多いのです。

時間分散という観点からすれば、ご指摘のようにボーナスがあるからといって、その月に集中させるよりも、毎月均等に投資をしていったほうが合理的といえます。

同じ金額で投資をすれば、意識しなくても投資信託が値上がりしている時は少なく、値下がりしている時は多く購入することができます。

これがドルコスト平均法と呼ばれる定額積立の効果です。

感情的な投資を防ぐ、ドルコスト平均法

投資家が感情的に投資を行うと、安値ではマーケットの心理が弱気に傾いているので、それに影響され買うことができず、逆に高値になってくるとマーケット全体の心理が強気になっているので、投資をしてしまう傾向があります。

過去の例を見ても、例えば2008年のリーマンショックによって日経平均が大幅に下落し、7,000円台になった時、多くの投資家は「安値だ!」と思って投資をするのではなく、「これ以上下がるのは困る」と持っていた株式を売却する人が多数でした。

しかし、株価は2009年3月を底値にして回復していき、国内では2012年の安倍政権の発足によって、株価は底値の倍以上に上昇したのです。日経平均株価が12,000円を超えた頃から、個人投資家の間で投資ブームが再び起こり、15,000円を超える高値で投資を始める人が続出しました。

積立によって投資をすれば、そのような失敗を防止することができます。

まずは信託報酬の低いインデックスファンドから

積立をする投資信託の選び方ですが、まずは信託報酬の低いインデックスファンドを使って、内外の株式、債券、REITなどにバランスよく投資をしていくのがよいでしょう。ネット証券を使えば、販売手数料のかからないノーロードの投資信託の品揃えが充実しています。

インデックスファンドは、基本的に販売手数料のかからないものを選ぶようにしましょう。

資産の配分は簡単ではありませんが、最初は専門家の勧める比率でやってみて、徐々に自分自身に合った比率を探していけばよいでしょう。

配分比率は常に自分にとって最適なものなのかどうか考えて、必要に応じて変えていっても問題ありません。

積立を自動化すれば、毎月気が付かないうちに資産を構築していくことができますが、年に1回は資産配分の比率を調整するリバランスを行いましょう。

これは、当初予定していた配分比率が相場の変動によって歪んできた時に、それを本来あるべき比率に修正することです。

このような長期分散投資は短期で結果を求めるものではなく、5年、10年といった長期で資産を形成するのが目的です。短期的な相場変動に関わらず続けていくことが大切です。

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