はじめに
生涯独身で過ごすための計画の立て方
あくまでも参考にはなりますが、総務省の「家計調査年報(家計収支編)2020年」によると、2020年の単身世帯における月の生活費は、150,506円というデータがあります。いつまでどのように働くかにもよりますが、65歳から90歳まで同じ生活水準を維持しようとすると、約4,500万円の資金が必要となります。国からの受け取れる年金は一人ひとり違うので、手持ちの資産と老後のためにいくら不足しているかを計算し、生活を維持していけるよう計画を立てましょう。
老後の生活を考える上で、固定費としての支出も大きく、住み替えなども難しくなってくる住まいの確保は、慎重に検討すべき項目のひとつになります。また、再雇用や年金の受け取り方法、セカンドライフに入ってから亡くなるまでのライフイベントや、病気で入院したり、介護施設に入るなど不測の事態への備えを盛り込むべきです。
住宅購入を検討する場合は、病気や介護で一時的に働けなくなったことを想定し、頭金を払っても1〜2年は収入が減っても対応できるよう、数百万円単位で貯金が残るか、また返済期間中も将来必要な資金に向けての貯蓄を続けられるか、定年時に退職一時金で完済もしくは、65~70歳まで働くことができるかなどを踏まえてマネープランを検討していきましょう。
「殖やすお金」はどう作る?
最近、資産を運用して「殖やす」ことに目を向けた資産形成に注目が集まっています。急速な少子高齢化の進行により、年金、医療、介護等の社会保障制度が薄くなっていくなか、自助努力の準備はかかせません。
投資を検討する上で考慮すべきことは、「最終的にいくら手元に残るのか?」です。殖やすことはもちろん、手数料や税金など手元から離れていく内容についても理解しておくことがポイントになります。そこで、運用で得た利益に対して税金がかからない「つみたてNISA」を選択肢としてご紹介します。
株や投資信託など、お金に働いてもらったことで得られる利益からは、通常20.315%の税金が引かれます。低金利のため、あまり意識することはないかもしれませんが、預貯金の利子からも20.315%の税率が引かれています。例えば、普通預金口座で10円利息が付いたとしても、約2円引かれて、手残り約8円となります。それに対してつみたてNISA口座は、得た利益に対して税金がかからない非課税口座となります。
参考までに実際に運用したら、税金はどのくらい引かれてしまうものなのか、グラフにまとめました。
筆者作成
増えた分以上に引かれることはありませんが、せっかくリスクを取って得られた利益から、増えれば増えた分だけ多くの税金が引かれてしまいます。つみたてNISA口座は、年間40万円、月約3.3万円の積立ができ、最長20年が非課税期間となり、税金が引かれませんので、効率よくお金を残せることになります。