はじめに

送金サービスの使い分けはどうする?

では、ことらはどんなシーンで使うとメリットがあるのでしょうか。

仕送りには「ことら」が便利

ことらを使うメリットは、たとえば遠くに住んでいる老親や、一人暮らししている子供へ仕送りするときにあると考えます。月に数万円程度、銀行口座に振り込むたびにかかっていた数百円の振込手数料が不要になるためです。老親や子供のお金の使い道も、お金を口座から引き出したり、口座引き落としの支払いに充てたりするなど、それぞれ多岐にわたるはずです。ことらはそうした、仕送りのお金を移動するのに便利です。

「ことら」専用のアプリではなく、「ことら」のシステムを利用できるアプリ同士であればOKというのもメリット。現状対応が発表されているアプリは銀行系のアプリだけですが、対象が増えてくればその分便利になります。

複数の銀行口座間でお金を移動するときにも「ことら」が便利

給与の受取口座と貯蓄専用口座といった具合に、複数の銀行口座をお持ちの方も多いでしょう。銀行口座間でお金を移動するとき、A銀行のATMでおろしたお金をB銀行のATMに入金するのは手間も時間もかかります。こんなとき、ことらを利用すれば、スマホの操作でA銀行からB銀行にお金を移すことができてスマートです。

pringでも、A銀行からチャージしたお金をB銀行から出金することで、お金を移動できます。ただ、pringにチャージしたお金を出金するときには、月2回目以降220円(税込)の手数料がかかります(月1回は無料)。本稿執筆時点では、ことらで出金手数料がかかるのかは不明ですが、ことらのアプリとして多くの銀行が採用するとみられる「Bank Pay」の出金手数料は無料なので、無料ではないかと考えられます。もし出金手数料がかからないのであれば、自分のお金の移動に役立つでしょう。

受け取ったお金をそのまま使うならQRコード決済が便利

一方、日ごろ使うちょっとしたお金を送金したり、飲食代を割り勘したりするならば、PayPayのようなQRコード決済を利用したほうが便利です。QRコード決済は利用できる店舗が多いので、受け取ったお金をそのまま使いやすいのがメリットです。逆に、QRコード決済の場合、出金手数料がかかるものが多くなっています。

つきつめると、比較的大きな金額のやりとりをするには「ことら」を利用し、少額のやりとりをするのであればPayPayのようなQRコード決済を利用するのがいいと考えます。


ことらを利用すれば、銀行振込がより便利になるうえ、これまで毎回数百円かかっていた振込手数料が大きく減らせます。2022年10月11日のサービス開始からは、手間もお金も節約するためにも、ことらを使えるようにしておくことをおすすめします。

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