はじめに
FXは投機
フェアバリューが存在しないということは、「割高と判断されるから売り」、「割安と判断されるから買い」という投資行動が、発生しにくくなります。
その結果、「買いが買いを呼ぶ」、あるいは「売りが売りを呼ぶ」という動きになりがちです。すると、トレンドが生じた時にそれがある程度長期的に続き、何かの拍子にそれまでのトレンドと逆の動きが生じると、マーケットが一気に不安心理で覆われ、急激な揺り戻しが生じます。
つまり相場心理が、為替レートの値動きを大きく左右するのです。フェアバリューが存在せず、相場心理が価格を大きく左右するという点において、為替レートの値動きにベットするのは、まさに投機であると考えることができます。したがってFXでの資産運用は、「投機」と考えられます。
これは金(GOLD)などの商品取引も同じです。そもそも金の根源的な価値がいくらなのかを計算する方法はありませんし、トウモロコシや大豆などの農作物、アルミニウムなどの工業品も同じです。ですから、商品取引は一度価格が動き始めると、一気に荒い値動きになる傾向が顕著なのです。
外国株式や外貨建て投資信託、外貨建て債券など、ファンダメンタルズがあってフェアバリューが計算できると思われる外貨建て金融商品に投資する場合、為替レートの値動きにはあまりとらわれない方が良いというのは、その時々の相場心理で上がったり、下がったりする為替レートに気を取られていても仕方がないと考えられるからです。