はじめに
NG行為(2):5箇所超の自治体に寄付して確定申告するはめに
ふるさと納税で税金の控除を受けるためには確定申告が必要ですが、「ワンストップ特例」を使えば確定申告なしで控除できます。ただし寄付先は5つまで。超えてしまうと確定申告しなければなりません。
ワンストップ特例を使う際は以下3点に注意してください。
・寄付先の自治体は5つ(回数ではない)まで
・会社員など元々確定申告の必要がない方が対象
・提出期限(翌年の1月10日自治体必着)までに申請書を提出する
ふるさと納税をする度に、毎回申請書を提出する必要があります。また、後から確定申告に切り替えることも可能です。
電子申告とマイナンバーカードの普及で確定申告は以前に比べて簡単になりましたが、初心者にはまだハードルが高いでしょう。確定申告時の税務署は大変混み合う上に、土日の開庁は限られています。電子申告も手間です。ふるさと納税はできるだけワンストップ特例で済ませたいですね。
NG行為(3):寄附金控除証明書を紛失
ワンストップ特例を使えば証明書を紛失しても住民税の控除ができます。しかしワンストップ特例を選択しても医療費控除などで「やっぱり確定申告することになった場合」はふるさと納税も併せて申告しなければなりません。
その際には寄付金控除証明書が必要になるので紛失には注意しましょう。自治体によっては再発行も可能ですが手間と時間がかかります。
ふるなび、さとふる、楽天ふるさと納税、ふるさとチョイスなどの国税庁長官より指定された特定事業者(※)を使ったふるさと納税であれば、「寄附金控除に関する証明書」と呼ばれる1年間分をまとめた証明書を発行できます。そちらを使えば紛失の心配がない上に確定申告が簡素化できるのでおすすめです。
※参照:国税庁「国税庁長官が指定した特定事業者(令和4年10月13日現在)」
知っておきたいその他の注意点
ふるさと納税をする上で知っておきたい注意点は、(1)返礼品が届くタイミングと、(2)税金控除の時系列の話です。
(1)返礼品が届くタイミング
ネットから簡単に寄付ができるので、ネットショッピングをしているかのような感覚になるかもしれませんが、返礼品が届くまでの期間は全く別です。ふるさと納税の場合は届くまでに何ヵ月もかかることも。特に季節の農産物などは気長に待つ必要があります。
なお、寄付した翌年に届く場合もありますが、限度額の計算は寄付をした年ごとに累計します。
(2)税金控除の時系列
ふるさと納税による住民税の軽減は、寄付をした年の翌年になるため、時系列がずれます。
住民税は6月に決定するので、寄付した翌年6月から安くなります。
会社員の方は給与から天引きになるので、6月に職場でもらえる住民税決定通知書を確認してください。
確定申告をした場合は所得税から控除され、確定申告後に指定した口座に振り込まれます。どちらにせよ、寄付をした年内に還付などがされるわけではありません。実質2,000円負担とは言え、一時的には寄付分の全額負担することになります。