はじめに
■確定申告前に準備しておくこと
副業での収入は、営利性や反復性、事業の性質などから、「事業所得」「不動産所得」「雑所得」などに分けられます。会社員は、本業の給与所得以外の所得が20万円超の場合には、確定申告が必要になるので、申告前には収入がいくらで経費がいくらかの把握が必要です。毎月、科目別に分けた領収書の金額や銀行から引落しがされたものを足していくと、経費の総額が計算できます。そこで、副業の収入から副業での経費を差し引いたものが所得となります。
副業でも所得が20万円を超えれば、確定申告は免れません。確定申告で給与所得と副業の雑所得と合算して、所得税の計算をやり直すことになります。
雑所得となる副業では、帳簿の作成は義務付けされていませんが、収入金額に関わらず収入や経費の内訳をインフォーマルな形でまとめておくとよいでしょう。
■会計をもっとラクにしたい場合
領収書を毎月整理して記帳や会計ソフトへ入力しておくのは、何だか大変そうだと感じる方は、会計初心者でも使える会計ソフトを利用すると時間の節約ができます。領収書やレシートをスマホで撮影することで自動入力が可能です。これなら仕訳が苦手な人でも安心です。また銀行口座やクレジットカードを会計ソフトと連携することで明細を自動取得するので、データを手入力する必要がありません。
副業専用の銀行口座やクレジットカードを準備して、経費の支出は副業専用のクレジットカードにまとめておけば、入出金、経費の管理が簡単にできます。
■領収書保存はいつまで?
個人事業者の場合、青色事業者か白色事業者かで領収書の保存期間が異なります。領収書の保存期間は、白色事業者は5年、青色事業者は7年になっています。副業でも前々年(2020年)の業務にかかる収入が300万円を超える場合には、保存期間は確定申告期日の翌日から5年間になっています。しかし、状況によって領収書の保存期間や対象が変わることがあります。証拠として大切なものなので、収入金額に関わらず領収書は保存しておく方がよいでしょう。
また、紙でもらった領収書はかさばるので、スキャンやスマホ撮影したもので代用したいところですが、電子帳簿保存でのスキャナ保存は認められる要件が厳しくなっています。税務署の承認がないまま電子化しても保存していることにはならないため、紙の領収書は捨てないで期間内は保存しておきましょう。