はじめに
長い間、超低金利が続いていた日本円ですが、金利が上がってきていると感じている方も多いでしょう。
これまで「どこに預けても低金利だし、普通預金に入れっぱなしでもよいのでは」と思っていた人も、100万円などまとまったお金がある場合、他の預け先が気になってくるでしょう。
■金利がじわじわと上がっている今、どんな預け先が候補?
お金の取材をしていると、普通預金に100万円、200万円など、まとまったお金を置きっぱなし、という方によく出会います。
普通預金は、大手銀行では0.001%とまだまだ超低金利です。最近、金利がほんの少しですが上がってきたものもあるので、預け替えてみてはいかがでしょうか。
そこで、預け先の候補として選ぶ際のポイントについて、まずはお伝えします。
●ポイント1:長期間の金利固定は避ける
金利がじわじわと上がりそうな時期は、3年や5年、10年など、今の低い金利が長期間固定されているものは避けましょう。もし金利が今後上がった場合、今の低いままの金利が続いていたら、もったいないですよね。
定期預金の場合は、中途解約も可能ですが、満期前の解約の場合、非常に低い金利で再計算されることになります。そうならないように、今は長期間金利が固定されるものは候補から外し、半年や1年など、短いものがよいでしょう。
●ポイント2:金利が非常に高い場合、期間を要チェック
ときどき見かけるのが、2週間や1カ月など、超短期間で高い金利を設けている定期預金です。
「金利が高い!」と思っても、該当するのが超短期間であれば、受け取る利子は少なくなります。満期になれば、自動的に普通預金となります。せっかく新しい銀行に口座開設をしたのに、結局は超低金利の普通預金で預けることになってしまいます。また、2週間ごとや1カ月ごとに預け替えるのも手間ですし、「その銀行を今後メインバンクかサブバンクとして使いたい」という場合をのぞけば、メリットはあまり多くないでしょう。
高い金利のものを見かけたら、期間がどれくらいかもあわせて確認してください。
●ポイント3:預ける際に、余計な手数料や電車賃がかからないように注意
高めの金利の定期預金があっても、預け入れるために、ATM手数料が大きくかかったり、電車に乗って預けに行かなくてはならなかったりする場合は要注意です。多めの利子を受け取れても、手数料や電車賃で相殺、もしくはマイナスになる可能性があるからです。
他の銀行への振込手数料が無料になるネット銀行の口座から振り込むなど、余分な手数料がかからないような工夫をしてみましょう。
●ポイント4:そのお金は、いつ使う予定かを確認
ここまで、預け入れの期間や手数料についてお伝えしましたが、そもそもそのまとまったお金は「いつ使う予定のお金なのか」もしっかり確認しましょう。
その前に、まずは体調不良や災害などで急に働けなくなった場合に備えた生活防衛資金を確保しておくことが大切です。できれば手取りの6か月分以上、いつでも引き出して使える預貯金の確保を目指しましょう。手取りが20万円なら、120万円ですね。このお金をのぞいた上で、残ったお金が、いつ使う予定かを確認してみてください。10年以上先であれば、少しリスクを取って、一部を投資に回すことも一案です。
投資にまわして、お金が必要な時期に相場が暴落しては大変なので、1~3年程度先に使う予定があるのであれば、元本保証のものが安心です。預貯金や個人向け国債など、世の中の相場の波に大きく左右されないものが選択肢です。