はじめに
株主優待を拡充・新設する企業
イオン北海道(7512)は株式への投資魅力を高め、長期的に安定して株式を保有いただくことを目的に優待券の増額、及び長期保有株主優待制度を新たに導入する、としました。変更前は100株以上、500株以上、1,000株以上の保有で、それぞれに上限を10,000円分として割引券を進呈していました。変更後は100株以上、200株以上、500株以上、1,000株以上、2,000株以上と区切りをより細かくし上限を20,000円分とし、更に500株以上を3年以上継続保有の株主向けに2,000円から10,000円分のイオンギフトカードを進呈します。
京都銀行(8369)は投資の魅力を高め、より多くの方々に株式を保有していただくことを目的として、株主優待制度を導入する、としました。200株以上保有の株主に対して、京都銀行グループが運営するオンラインショップにて利用できる買い物券4,000円分の進呈、またはオンラインショップに出品されている商品の中から3,000円相当を優待品として進呈される内容です。
また昨年末、東京ディズニーランドなどを手掛けるオリエンタルランド(4661)は1株→5株の株式分割を行うと発表としました。権利獲得に必要な最低株数が100株→500株に変更される為、変更はないように感じられますが、実は2023年9月末以降の株主優待には、100株以上を3年以上継続保有の株主に、1デーパスポートを1枚追加で贈呈すると発表しました。長期保有の株主向け優待制度を導入した形です。
株主優待の新設や拡充と、それに反する廃止の流れは、今後しばらくは二極化しそうです。しかし優待そのものが無くなることは無いと思います。
日本には昔から暑い夏と寒い冬を迎える時にお中元、お歳暮を送り合う文化があります。優待制度は海外には無く日本特有のものですが、その根底にあるものは、企業は成長を、株主は応援を、互いにエールを交換し合うような関係を好む傾向があるように感じます。
企業は受け取る方に喜んでもらえるよう、思いを託し優待品を企画し準備します。私たち日本人はそんな部分に温かさや心通う関係性を感じ気持ちを和ませる事を大切にする人種なのかもしれません。
株主優待は単なる損得ではなく“日本らしさ”があり、簡単には無くならないのではないかと思いました。