はじめに

旅行シーズンになると、気になるのが海外旅行傷害保険。盗難、預けた荷物が届かない、水が合わず腹痛で入院など、旅行先ではどんなアクシデントが起きるかわかりません。

「でも、クレジットカードに付帯されている傷害保険があるし…」なんて思っていませんか? クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険の補償は万全なのか、検証してみます。


クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険とは?

クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険には、2つのタイプがあります。
クレジットカードを持っているだけで保険が付帯される「自動付帯」と出国する際の飛行機代やツアー料金などをクレジットカードで支払った場合に保険が付帯される「利用付帯」です。

「自動付帯」については、所持していれば補償の対象となりますので、旅行中の様々な事故に対応できます。

「利用付帯」については、会社により付帯の条件が様々ですから注意が必要です。パッケージツアー料金のように、旅行の行程すべてが料金に含まれている場合は、往復の飛行機や船舶乗車中、ホテル滞在中、現地でのバス移動中、オプショナルツアーに至るまで、行程中の事故がすべて対象になります。
しかし、フリーに旅行を楽しむ場合は、少し様子が違います。

フリーで旅行を計画される場合は、飛行機・宿泊・現地ツアーなど、それぞれのサイトで支払いますが、「利用付帯」の場合、クレジットカードで事前に支払ったことに対して対象となるので、自由に散策している時のケガや、現金で乗車した乗物での補償などは対象外になってしまい、補償される部分に隙間が生じる恐れがあります。クレジットカードについている保険で安心と思わず、クレジットカード会社に、自分のカードについている保険は「自動付帯」「利用付帯」どちらなのか、「利用付帯」だとしたら、補償の範囲はどのような設定なのか、きちんと確認することが必要です。

補償内容は万全か?

補償内容は、カード会社やカードの種類によって補償金額が変わりますが、概ねカード年会費に比例している補償金額が変わることが多いようです。付帯されている補償に多い項目と金額は次の通りです。

傷害による死亡・後遺障害:2000万円~1億円程度
傷害・疾病治療費用:50万円~500万円程度
賠償責任:2000万円~1億円程度
携行品損害:10万円~100万円程度
救援者費用:100万円~1000万円程度

グレードの高いクレジットカードでは、乗継遅延費用や受託手荷物紛失費用などを補償する場合もありますが、一般的なカードには付帯されていません。

傷害保険というと、死亡補償金額に目が行きがちですが、保険金請求が多いのは現地で具合が悪くなった時やケガをした時の治療費用や、携行品の盗難や破損などの損害です。海外で乗継が多い旅になると、預けた荷物が手許に来ないようなケースも見受けられます。傷害・疾病治療費用の補償金額は、万一入院するようなことがあった場合には、健康保険が適用にならないので高額になり、カード付帯の補償内容では不足してしまう恐れがあります。

ガイドがいる旅行なのか、気ままにあちこちめぐる旅行なのか、行先やスタイルによって、付帯保険以外の保険も考えた方がよさそうです。

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