はじめに
基本の4つの取引
日経225オプションには、4つの基本的な取引方法があります。損益分岐点は、全て権利価格+プレミアム価格です。
(1)コール・オプション(買う権利)の買い
日経平均株価が上昇し、権利価格+プレミアム価格を上回れば利益となります。損失はプレミアム価格に限定されます。
(2)コール・オプション(買う権利)の売り
利益はプレムアム価格に限定されます。日経平均株価が上昇し、権利価格+プレミアム価格を上回れば損失が拡大します。
(3)プット・オプション(売る権利)の買い
日経平均株価が下落し、権利価格+プレミアム価格を上回れば利益となります。損失はプレミアム価格に限定されます。
(4)プット・オプション(売る権利)の売り
利益はプレムアム価格に限定されます。日経平均株価が下落し、権利価格+プレミアム価格を上回れば損失が拡大します。
【例】コールオプション
先週末、5月26日(金)の日経平均は30,916円です。仮に6月のSQまでに日経平均が31,500円を超えると考えます。プレミアム価格は190円で計算します。
コール買い:権利行使価格31,500円 + プレミアム190円 = 31690円
日経平均が仮に31,690円を超えてくれば、利益は無限となります。しかし、超えない場合はプレミアム190円分が損失となります。(損失限定)
コールの売り:権利行使価格31,500円 + プレミアム190円 = 31,690円
日経平均株価が仮に31690円を超えない場合は、プレミアム分が利益となります。しかし31,690円を超えてくれば損失が無限となります。
【例】プットオプション
先週末、5月26日(金)の日経平均株価は30,916円。仮に6月のSQまでに日経平均株価が30,000円まで下落すると考えます。プレミアム価格は125円で計算します。
プット買い:権利行使価格30,000円 ー プレミアム125円 = 29,875円
日経平均株価が仮に29875円を下回れば利益は無限となります。しかし、下回らない場合はプレミアム125円分が損失となります。(損失限定)
プット売り:権利行使価格30000円-プレミアム125円=29875円
日経平均株価が仮に29875円を下回らない場合はプレミアム分が利益となります。しかし、29875円下回った場合は損失が無限となります。
※注:SQ清算など考慮せず
このように、オプションはコール、プット共に買いから取引を行った場合は、損失が限定されるのでインバース商品よりはリスクは少なくて済みます。仮に、思惑通りの展開となれば、当然利益が出る商品でもあります。
米国では、オプション取引が活発に行われています。アップル株式などの個別銘柄を売買する個別株オプション、S&P 500種株価指数などの株価指数を対象とする株価指数オプション、上場投資信託(ETF)を対象とする「ETF オプション」の3種に分類されます。2023年2月の日経新聞で、日々のオプション取引の売買高(10日移動平均)は、約4,800万件前後と過去最高水準で推移しているとの報道もありました。日本にも個別株オプションは上場していますが、出来高がないのが現状です。
まずは、日経オプションをヘッジ目的で取引されるのもいいのではないでしょうか。留意点として、日本市場は株式や投資信託で損失が出ていても、オプション取引とは課税方式が異なるため、損益通算はできないので注意が必要です。