はじめに
家計簿アプリでやるべきこと
金前 すすむ:家計簿アプリを使ってみました! 最初に銀行口座などを連携するのは大変でしたが、その後は自動で家計簿をつけてくれるので快適でした。
FPよしおさん:それは良かった。家計簿をつけると自分が今いくら持っているのかがわかるので「お金が見えてくる」よね。
金前 すすむ:はい、銀行口座の残高も、クレジットカードの利用履歴も、ポイントの残高もわかるので資産がばっちりわかります。これで投資をはじめても大丈夫でしょうか?
FPよしおさん:いやいや、まだまだ投資への道のりは長いよ。家計簿アプリをはじめてみて、支出はおさえられているかな?
金前 すすむ:いえ、資産は見えるようになりましたが、何にいくら使ったかまだよくわかっていません…。そういえば、口座の残高がわかるだけだと家計をどう改善したら良いかわからないですね。
FPよしおさん:そうだよね。資産管理と家計管理は別々に考えてしまう人がいるけど実は一連の流れなんだ。家計管理は毎月の収入と支出を把握することだけれど、重要なのは収支をプラスで残すこと。その残った収支を積み上げることで資産が増えていく。そして、その資産を運用してどうやって増やしていくかが資産管理だよ。
例えば毎月の収入と支出が40万円づつで一緒だったら収支は0で資産は増えていかない。家計をコントロールして5万円支出を減らし、その分収支を5万円プラスで残して、毎月5万円づつ資産を増やしていく。そして、余剰資金ができてきたら資産運用をしていくイメージだね。収支がプラスでないと、資産を積み上げることができないので、まずは家計管理を徹底していくことが重要なんだ。
金前 すすむ:まずは家計管理が大事なんですね。では、まずは何から始めたらよいですか?
FPよしおさん:家計簿アプリを使っていたら、支出の費目を管理できるはず。例えば、マネーフォワードMEであれば、以下の費目が分かれている。自分が使っている支出をカテゴリーごとに分類することで、どんな内容にいくら使っているかがわかるようになってくるよ。
● 住宅
● 保険
● 教養・教育
● 通信費
● 自動車
● 食費
● 水道・光熱費
● 日用品
● 趣味・娯楽
● 衣服・美容
● 健康・医療
● 交通費
● 交際費
● 特別な支出
● 現金・カード
● 税・社会保障
● その他
● 未分類・不明
FPよしおさん:特に「未分類・不明」の支出をできるだけ費目に合わせて分類すると良いね。月に未分類・不明が5,000円以下くらいになっていたら家計簿がちゃんとつけられていると考えてOK。
仕分けができると、「あ、食費に10万円も使っている」とか、「健康医療にお金かかりすぎている」とか、「教育費の比率が高すぎる」とか、「保険こんなに払っている」とか、「電気代が高くなってきている」など、漠然としていた自分のお金が見えてくるようになるので、改善ポイントがわかるようになるよ。
金前 すすむ:曖昧な部分をできるだけ減らして、しっかりと見えるようにするんですね。怖いけどこれなら対策が打てるようになりそうですね。
FPよしおさん:食費10万円が使いすぎだと思ったら、予算を設定することで具体的な目標が見えてくるよ。例えば、月8万円に減らすことを目標にするなら、1週間あたりの予算に分解しておくと管理がしやすい。また、教育費や医療費も「大事なことだから無制限に使っている」という場合も、予算を立てることでコントロールできる。
食費を改善する方法と、教育費や趣味娯楽の改善方法、水道・光熱費の改善方法は全然違うので、無闇に気持ちだけ節約しようとしても続かない。まずは自分の支出状況を把握することが最優先で、その中から改善したいポイントを絞って適切に改善していけば良い。で、ここで重要になるのが「価値観」。
金前 すすむ:価値観ですか?
FPよしおさん:そう価値観。なんでもかんでも使っていたら、いくらお金があっても足りないし、逆になんでも「節約、節約、節約…」とお金を使わないでいると生活のクオリティが下がってさもしい気持ちになってしまう。家族との時間を大切にしているのであれば、家族旅行のお金を節約する必要はない。逆に、昔から使っているからという理由だけで見直しをしていないスマートフォン代や保険を見直しすれば、大事なことは守りながら、無理なく節約することもできる。
金前 すすむ:メリハリが大事ってことですね!
FPよしおさん:この価値観は自分だけのものなので、他人の価値観にふりまわされないことが大事なんだ。例えば、他人によく見られたいから見栄でお金をつかっていたり、昔からの付き合いがあって不要な保険に払っていたりしているとお金は貯まらない。一度自分のお金をカテゴリーごとに仕分けしたら、本当に大事なものは何なのかを考えてみるとよいね。
金前 すすむ:そのためにも家計簿が大事なんですね。
FPよしおさん:家計簿はつけるだけだとあまり意味がなくて、そこから学ぶことが大事。どんな費目にいくら使っているかを確認したら、使っている支出が本当に必要だったのかを月に1回は確認してみよう。また、自分にとって減らしたくない支出は何か。当たり前にはらっているけど、実は大切ではない支出がないかも疑ってみるといい。 家計簿は自分の性格や価値観を表す鏡になるから向き合ってみるといいよ。
金前 すすむ:家計簿は自分のことを映す鏡なんですね。ちょっと自分のイケていないところが丸わかりになりそうで怖いですがやってみます!
・まずは自分が何にお金を使っているか把握するために、家計簿をつけよう。
・紙の家計簿を続けることが難しかったら家計簿アプリを活用しよう
・家計簿は費目別に支出を管理、「何に」「いくら」使っているかを把握しよう
・自分にとって大切な支出や改善してもよい支出がないかを確認しよう。なんでもむやみに削減するのではなく、不要な支出から改善しよう