はじめに

日々のニュースで岸田総理の発言や、政府の動きを伝えていますが、そのニュースが投資の利益につながるかもしれません。

「政策に売りなし」という相場格言をご存知でしょうか? 国の政策に関連している業種や銘柄に投資をしていると、値上がりしやすいので売らない方がいいという意味の相場格言です。

なぜ政策を知っていると有利なのか、その政策をどう調べればいいのか、という疑問を持った方に、その方法を紹介していきます。


政策を知るためのキーワード

日本の政策を知る上で投資家の方に覚えておいてほしいキーワード、それは「骨太の方針」です。

骨太の方針とは、政権の重要課題や翌年度予算編成の基本的な方向性を示す方針のことです。正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」で、年末の予算編成に向け、毎年6月ごろに閣議決定されます。

骨太の方針は、2001年度の小泉政権下にスタートしました。当時の財務相・宮沢喜一氏がこの会議の議論を“骨太”と表現したことで「骨太の方針」と呼ばれるようになりました。つまり骨太の方針は、政府が取り組んでいくべき課題に対する政策を理解できる方針である、と言えます。

投資において、政策をおさえることが重要な理由が5つあります。

まず1つ目は、マクロ経済への影響を把握できることです。政策は、経済全体に影響を与える力を持っています。税制改革、金融規制、貿易政策などの政策変更は、企業の業績や市場の動向に大きな影響を及ぼすことがあります。政策の変化を理解し、その影響を予測することで、適切な投資判断を行うことができます。

2つ目として、セクターと業界への影響を予測できます。政策は、特定のセクターや業界に対しても重要な影響を与えます。例えば、医療政策の変化は医療関連企業に直接的な影響を与えますし、エネルギー政策の変化はエネルギー関連企業に影響を及ぼします。政策のトレンドや方向性を把握し、それに応じてセクターや業界の成長やリスクを評価することが重要です。恩恵を受けそうな銘柄を連想することで、個別銘柄や投資信託を選ぶ際にも大いに参考になると考えます。

3つ目として、法律や規制の変更として具体化されることがあります。企業の活動や業務に影響を及ぼす法律や規制の導入は、企業のリスクや機会を変えることがあります。政策変更の情報を収集し、それが企業のビジネスモデルや競争力に、どのような影響を与えるかを理解することは、投資判断において重要です。

4つ目は、リスク管理としても知っておくべきということです。政策変更は市場や企業に対し、不確実性をもたらすことがあります。政策変更や、それに伴う新たな法律や規制の導入は、市場の動揺や業績への影響をもたらす可能性があります。投資家は、政策変更に対するリスクを適切に評価し、それに対する対策を立てる必要があります。政策に敏感であることは、リスク管理の観点からも重要です。

5つ目は、長期的な投資判断にも影響を与えるということです。特に、国や地域の経済政策や産業政策の方向性を把握することは、長期的な成長や投資機会を評価する上で重要です。例えば、特定の産業の成長を促進する政策や、新たな技術開発への投資を支援する政策がある場合、それに適合する企業への投資が有望となる可能性があります。

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