はじめに
一般投資家でも手軽にグローバルに投資する手段として、全世界型であるオールカントリー(オルカン)のETF(Exchange Traded Fund)や投資信託が注目を浴びています。
「グローバルな投資をする」と聞くと、ハードルが高いと感じるかもしれませんが、ETFや投資信託という商品を利用すれば、全世界の金融市場に簡単にアクセスすることが可能です。むしろ、初心者向けの投資といえるのが全世界型のETFや投資信託なのです。
今回は、全世界型のETFや投資信託とは何か、メリットや選び方などを解説していきます。
全世界型ETFとは?
ETFとは「上場投資信託」を意味します。特定の株式指数の動きに沿ったパフォーマンスを目指したり、プロが選定したポートフォリオで値動きを得るといった投資商品です。全世界型ETFはアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、世界各地の大手企業の株式に投資するインデックスを基準にしています。
全世界型ETFは、以下のようなメリットを持っています。
(1)多様性
一つの全世界型ETFを保有するだけで、グローバルな株式市場に広範囲にわたって投資することが可能です。
(2)手軽さ
全世界型ETFは個別の株式を選び投資するよりも手軽に、また分散投資を行うことができます。
(3)低コスト
ETFと投資信託では、一般的にETFの方が運用コストが低いですが、どちらもコストは低めな投資商品だと言えます。これは、代表的なインデックスに連動した成果を目指す運用であるためです。
全世界型ETFを選ぶ際には、以下の要素を考慮します。
(1)運用資産総額(AUM)
Assets Under Managementの略で、ETFの安定性を判断する一つの指標です。大きいAUMは流動性が高く、安定した運用がされていると考えられます。
(2)追跡誤差
ETFは指数を追跡しますが、実際のパフォーマンスと指数のパフォーマンスの間には一定のずれ(追跡誤差)が生じます。追跡誤差が小さいETFは、その指数をより正確に追跡しています。
(3)経費率
ETFを保有するためのコストで、低いほど投資家にとって有利です。じわじわと利益に差が出てくるので、特に長期投資の際は必ず注意して選んでください。
(4)配当再投資の扱い
ETFには、配当を再投資するタイプと、現金で出すタイプがあります。自身の投資の目的によって、どちらのタイプが合うか判断します。その際、利回りもチェックしておきましょう。