はじめに

「まさか」を超える対応が感動を生む

カルビーでは、「こうしてくれたらうれしい」という要望の声にもできる限り応えており、そうした取り組みがさらにファンをつくっています。

ある「バターしょうゆ味」の商品をリニューアルしたところ、数人から「少し酸っぱく感じる」という意見があり、味の微調整をしたところ「酸っぱい」という声がなくなりました。

さらに、その意見を寄せてくれた人たちに、微調整した新しい商品を送り意見を求めたところ、「まさか本当に変えてくれるとは思っていませんでした」という感激の声が届いたといいます。

多くの消費者は、「意見をしたところで変えてはくれないだろう」と思っています。しかし、カルビーではたとえ少数の声であっても耳を傾け、労をいとわず反映していくことをモットーにしています。

・「健康のために塩分控えめの“かっぱえびせん”をつくってほしい」という声が数多く寄せられたことで生まれた「かっぱえびせん塩分50%カット」
・期間限定の人気商品「ポテトチップスしあわせバタ~」の定番商品化。
・再発売の要望が高かった「ポテトチップスフレンチサラダ」の復活。

これらも「お客様相談室」に届いた声を反映させたものです。

純粋にビジネスとして考えたとき、「それではコストがかかりすぎるのではないか」「リスクが大きいのではないか」と感じる人も多いでしょう。しかし、ファンが増えれば、その人たちからSNSや口コミで評判が広まり、結果として売上にも大きく貢献します。

ニーズが多様化した現代には、企業そのものを愛してくれる「ファン」なくして成長はありません。カルビーの「お客様対応」からは、本当の「お客様第一主義」の在り方と企業を成長させるヒントが得られるはずです。

『カルビーお客様相談室』 カルビーお客様相談室 著


カルビーが圧倒的に愛される理由は、「お客様相談室」にあった! 「お客様対応」は「クレーム処理」と思われがちですが、カルビーお客様相談室は「ファンづくり」を担う部署でもあります。本書はそんなカルビーの顧客対応の仕組みを具体的に解説した1冊。

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