はじめに

投資型年金保険を解約し、iDeCoを始めるのも手

現在、Aさん名義で月3万円の投資型個人年金保険をご契約されています。しかし、現在Aさんは無職。さらに夫の扶養内で働かれるのであれば所得税と住民税の支払い義務は生じません。

個人年金保険の場合、所得税と住民税を支払っていれば個人年金保険料控除が適用でき税金還付を受けることが可能です。Aさん名義の保険の場合、現状であればそのメリットを享受できていません。

投資型個人年金の証券を見る限り、かなり高いリターンを想定しての年金額が記載されているようです。投資効率という視点と、節税という視点から考えるとiDeCoの活用を検討されてみてはいかがでしょうか。

その理由として個人型確定拠出年金であるiDeCoも、個人年金保険同様に拠出額に対して全額所得控除の対象となり所得税と住民税を控除することが可能です。すでに投資型年金保険は夫とAさん名義で合計450万円の契約をされています。iDeCoであれば、投資型年金保険よりも年間の運用コストを低く抑えることも可能です。

会社員である夫の上限額である月額2万3千円(年利5%)のiDeCoを49歳から65歳でされた場合。金融資産は投資型年金保険を契約したままと比較すると、夫65歳・Aさん60歳時で約180万円。夫95歳・妻90歳時で約220万円の差が生じるので、iDeCoに変更されるメリットは十分にあるでしょう。

夫がもしもの時の必要保障額を準備しておく

夫に万一のことがあった時の必要保障額が現状では3,000万円となります。下のお子さんが大学を卒業する約18年間は世帯主の万が一に備えて、掛け捨ての保険などを契約されることをおススメします。健康状態にもよりますが月1万円ほどの掛捨て保険であれば、Aさんが働いて収入を得ることで十分支払い可能となります

どこに課題があり、どんな方法で家計改善するか

相談内容に対してファイナンシャルプランナーが改善案を提案した後、Aさんはとても安堵された様子でした。

Aさん「夫は年上で、子供たちもまだ小さいのでお金のことが不安でした。でも、私が以前のようにパートに出て、働くことで家計の状況が良くなると聞けて安心しました。今までは夜も忙しく働いていたけれど、ちょうど近所で希望の勤務時間で、やりがいのある仕事を見つけることができました。私もパートで働きながらこれからはもっと自分の好きなことに時間も使っていきます。」とのお言葉を頂きました。

Aさんの様に資産形成に保険を活用されている方も多いと思いますが、効率や節税という視点から眺めてみるとまた違った選択肢が見えてくるかもしれません。

夫婦ともになるべく収入を得て、それを効率的な運用に回し、教育費や住宅ローンというライフイベントに備えていく方法は、年の差カップルだけでなく全ての世帯にメリットがあるといえるでしょう。

お金のことで不安になるのは「今」の状況しか知らないから。将来にわたってどこに課題があり、どう対策すればいいのか知ることで家計状況は大幅に改善します。ぜひ、早い段階で家計全体の現在から将来にわたっての状況をチェックし、行動に繋げましょう。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

この記事の感想を教えてください。