はじめに

【6】インフレーションリスク

インフレは「インフレーション」の略で、継続的に物価が上昇することです。「インフレーションリスク」は、物価上昇により、投資資産の実質的な価値や購買力が減少するリスクを指します。

今、日本国内でインフレが起こっているうえ、為替市場で日本円も下落しているため、私たちが持っている現金の価値は下落し、円建て預金の資産価値が下がっている状況です。日本人は保有資産の多くを現金や預貯金で保有していると言われますが、インフレに強い資産(株式、リアルエステート、コモディティなど)をポートフォリオに組み入れるなども対策として考えられます。

経済指標や中央銀行の発表、政策動向に注目し、インフレーションの兆候を早期にキャッチすることが重要です。

【7】「政治リスク」とは?

「政治リスク」とは、政治的な変動や不安定性が投資の価値やリターンに悪影響を与えるリスクを意味します。

例えばアメリカでは2024年は大統領選挙の年に当たります。現職大統領が再選を意識して景気刺激策を打ち出すことなどから選挙前年(つまり今年)には米国株は上昇する確率が高いと言われています。

ただ直近では、連邦議会の上下両院は現地9月30日夜、土壇場で11月17日までのつなぎ予算案を超党派で可決したものの、米政府閉鎖リスクが継続しています。

政治は経済と密接ですので、投資先の国や地域の政治情勢、法制度の安定性、国際関係などを詳細に調査・分析することが必要です。対策としては、投資を地理的に分散させ、特定の国や地域に依存しないポートフォリオを構築することや、政治リスクが高い地域への投資は、リスク許容度に合わせて抑制することなどが考えられます。

そのほかの様々なリスク

そのほかにも例えば個別銘柄に投資する際には、その銘柄の産業セクターに影響を与える要因(技術進化、規制変更など)により投資が損失を被るリスクであるセクターリスクや、企業の業績が低下すると株価も下落する業績のリスク、経営陣の不手際やスキャンダルなどによる経営リスク、法令や規制の変更によって企業の収益性が影響を受ける規制リスク、製品のリコールが発生して企業のイメージと株価に打撃を与えるリコールのリスクなど、様々なリスクが考えられます。

これらのリスクは、時として相互に関連し合いながら投資のパフォーマンスに影響を与えます。投資を行う際は、リスクをしっかりと理解し、対策を講じることが重要です。リスクをゼロにすることはできませんが、適切なリサーチと戦略の実施により、投資のリスクを最小限に抑え、成功への道をより安定させることができます。

現代では投資をしないことそのものもリスク視されています。初心者の方は、まずリスクを知ることからスタートしましょう。

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