はじめに

家計管理をしてこなかった人が貯蓄できるようになるための3ステップ

では、家計管理をしてこなかった人が貯蓄できるようになるためにはどうすればいいのでしょうか。3つのステップに分けて解説します。

Step1:年間収支を出す
まずは年間の収入と支出を把握しましょう。家計簿アプリやエクセルの表計算を利用するといいでしょう。支出は住居費や食費・日用品費・通信費・教育費・保険代・車輛費・税金・娯楽費などがあげられます。

ポイントは支出をNEEDとWANTに分けることです。実家暮らしの時は、家賃や光熱費など生きていくのに必要なNEEDの多くをご両親など自分以外の人が負担してくれます。そのため、WANTだけにお金を使うことができたかもしれません。ですが、一人暮らしをするとそうはいきません。

繰り返しになりますが、『収入-支出=貯蓄できる金額』となります。一人暮らしのタイミングで実家暮らしの時と同じ様にWANT中心の家計になっていると、NEEDの支出を見落としがちです。収入よりも支出が上回ってしまい、黒字どころか、毎月赤字になってしまう可能性があります。支出をNEEDとWANTに分け、特にWANTの中で削減できるものがないか、見直しをしましょう。

年間収支のチェックは一度やって終わりではなく、年末や年度末など年に一度は確認することがおススメです。定期的な確認は、家計状況がわかり、貯蓄を継続する意識づけになるからです。

Step2:貯蓄の目的・目標金額と期限を決める
年間収支の確認をして、貯蓄可能額がわかれば、貯蓄の目的と期限・目標金額を決めます。

Aさんの場合、老後不安の解消が目的になります。本来であれば、老後に必要なお金を試算して、具体的な期限や目標金額を決めます。例えば、Aさんが65歳まで(期限)に1,000万円(目標金額)貯めたいとすると、約30年間で年約33万円、月約3万円の貯蓄が必要となります(利息は考慮せず)。NISAなどの積立て投資を活用すればリターンが期待できるので、月の貯蓄額はもっと少なくてすむ可能性があります。このように「目的」を決めて、「いつまでに(期限)」「いくら(目標金額)」を計算します。

ただし、今回のご相談者であるAさんはまだ34歳。老後までのライフイベントもたくさん想定されます。何より、貯蓄経験がまったくありません。目的を持って貯蓄を始められるのがベストですが、今回は本来の目標の前に「貯蓄を習慣化する」という小さな目標を設定することにしました。

その理由としてAさんは貯蓄習慣がなく、いきなり月3万円の貯蓄から始めても、途中で挫折しかねないからです。最初の1年間は積立て投資1万円と決めて、1年後に家計収支の確認をすることにしました。

このように最初は具体的な目的を設定しなくてもOKです。1年経って無事貯まっていたら使い道を考えるのも楽しいですよね。まずは無理のない目標を立てることが貯蓄を習慣化する秘訣です。習慣化ができたら、本来の目的に向けて、具体的な数値目標を立てるようにしましょう。

Step3:管理口座を複数に分ける
管理口座を複数にして、使い分けをしてみるといいでしょう。Aさんは前述の通り、給与口座にお金を入れたままで口座の使い分けをしていません。そのため収入が入ったら、あった分だけ使ってしまうという状況に陥っています。次にもう少し詳しく管理口座について説明します。

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