はじめに

年間のアノマリー

では年間ではどうなのかというと、「Sell in May and go away, don’t come back until St.Leger day.」という有名なアノマリーはデータ上でも有用なよう。前半のセル・イン・メイが有名ですが、アノマリー全部を直訳すると5月に売ってセント・レジャー・デーまで戻ってくるなとなります。セントレジャー・デーとは、毎年9月の第2土曜日にイギリスで行われる競馬の大レースのことです。

月間の騰落率では、1976年以降のデータでは11月と12月が高く、7から10月が下落傾向にあり、高値から10%以上下落するいわゆる弱気相場入りしたあとで転換しやすいのは過去のデータでも10月に底を打って転機となりやすい月だといえます。

背景には米国の税金の還付が2月から5月くらいまであるため、その資金が市場に入りやすいことや、年末高の際に立てた信用取引の買い残のポジション解消の期限が6カ月後の6月に来るため売られやすいこと、夏季休暇前の手仕舞い売りも出やすいことなどが挙げられます。

そうなると株式市場において5月に売って9月の第2土曜日に買いを検討し始めるというのは投資において優位性のある行動なのかもしれません。

米国では選挙にまつわるアノマリーがある

2024年の重要イベントであるアメリカ大統領選にまつわるアノマリーもご紹介しましょう。米国では、中間選挙の年は株価が下がり、翌年は上昇する、というアノマリーがあります。また大統領選挙の前は現政権が選挙で勝つために株高政策を打ちやすいことから株高になりやすいといわれています(確かに2023年のダウ平均は過去最高値を更新)。

日本では干支にまつわるアノマリーも

そして毎年、年末年始に出てくるアノマリーには「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)は辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁盛、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる」というものがありますね。

辰年や巳年では株価が天井をつける傾向があり、午年は下がりやすい。戌年や子年、寅年などが高くなりやすい」という意味ですが、今年の卯跳ねではそれなりに跳ねたわけで、辰巳天井に向けて高値を付けていけるのか注目です。

日本のバブルの1987年は卯年で1988年が辰年となって高値を追い、1989年が巳年で3万8915円87銭という過去最高値をつけたあと急落したという歴史があります。4月の春闘でインフレによる賃金上昇も期待できる中で、いよいよ日本も過去最高値を追うことができるのか、アノマリーも押さえながらファンダメンタルズやテクニカルもしっかりウォッチしていくと値動きが利益に変わっていくのではないでしょうか。

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