はじめに
今回は新NISAでの長期的な視点でも注目されている新興国への投資についてお伝えします。成長中の国への投資には、多くの可能性があります。特に“グローバルサウス”と呼ばれる国々、例えばインドのような新興国に焦点を当てて、その魅力を詳しく説明しましょう。
グローバルサウスとは?
グローバルサウスとは、世界的な経済的および地理的な文脈で用いられる言葉で、明確な定義はありませんが、南半球に多い新興国・発展途上国・第三世界と同様の意味で用いられることが多いです。
グローバルサウスに含まれる国は100以上あると言われており、代表的なインドやブラジルのほか、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、アルゼンチン、キューバ、アラブ首長国連邦、タイ、ナイジェリア、エジプト、マレーシア、南アフリカ、フィリピン、イラン、イラク、ペルー、モンゴル、フィジー、サモア、エチオピア、ケニア、リビア、チリ、ウルグアイ、ボスニアヘルツェゴビナなどが挙げられます。
これらの国々は、経済成長、産業の発展、人口増加などが特徴で、将来の成長潜在力が非常に高いとされています。世界の分断が意識されているなかで、西側諸国にも東側諸国にも属さない“第三世界”や、大国・先進国間の利害や対立から独立した経済の発展が期待される国々の総称として捉えられています。そのためグローバルサウスへの投資は、市場の拡大やリソースの活用などの機会を提供し、リスクとリターンのバランスを探求する投資家にとって魅力的な選択肢となるため、注目を集めています。
グローバルサウスの魅力
では、グローバルサウスの国々に注目すべき理由を見ていきましょう。
まず、成長の機会に投資できるというメリットがあります。新興国は通常、高い経済成長率を示しています。これは、人口の増加、産業の拡大、技術の進歩などが要因です。これらの国々はまだ成長の途中にあり、将来の成長潜在力が非常に高いと言えます。
そして人口が多く、巨大な市場を提供しています。例えば、インドは昨年中国を抜き、世界1番目に多い人口を抱える国となりました。このような市場への投資は、企業にとって巨大な成長機会を意味します。加えてグローバルサウスの国々は天然資源や労働力に恵まれており、これらのリソースの利用と生産性向上を通じて高いリターンをもたらす可能性があります。
また技術とイノベーション面でも期待ができます。新興国は技術とイノベーションに対する投資を増やしており、新たなビジネスモデルやテクノロジーの発展が見込まれます。これは投資家にとって魅力的な機会です。