はじめに

新NISAでグローバルサウスに投資するには?

投資ポートフォリオに新興国への投資を含めることは、リスクの分散に役立ちます。新興国の経済は先進国とは異なる周期を持つことがあるためです。グローバルサウスに投資することで貧困削減や社会的インフラの整備に寄与することもあります。投資家は社会的責任を果たし、持続可能な発展に貢献できるといえるのではないでしょうか。このように新興国への長期投資は、将来の成長とリターンを追求する投資家にとって非常に魅力的な選択肢です。 

新NISAの成長投資枠でもグローバルサウスを組み込むことができます。

投資信託協会が昨年11月1日に更新した「NISA成長投資枠対象商品リスト」(非上場投信)でリストアップされた投資信託のなかに、公募投信で初のグローバルサウスを投資対象として着目したファンドである「EXE-i グローバルサウス株式ファンド」が入りました。
EXE-i グローバルサウス株式ファンドは、投資対象ファンドへの投資を通じて、グローバルサウスの株式に実質的に分散投資を行う投資信託となっており、信託財産の中長期的な成長をめざして運用を行うファンドです。実質組入外貨建資産については為替ヘッジを行わないとのことです。主な投資対象国は、ラテンアメリカ、アフリカ、中東、南アジア、東南アジアの地域の新興国です。毎年10月15日決算で、運用管理費用(私たちにとってのコスト)は年0.582%(税込)程度とのことで高めであることは覚えておいてください。

中でも成長目覚ましいのはインド

グローバルサウスの中でも、私はインドの成長に注目しています。

インドは昨年無人探査機を月の南極付近に着陸させることを世界で初めて成功させたほか、インド初の太陽観測衛星「アディティヤL1」の打ち上げに成功するなど、高度な技術力を持っています。加えて、2023年にはインドの人口は遂に中国を抜き世界最多になったわけですが、2040年代まで人口が増え続ける見通しで、しかも若い人が多いためこれからも人口ボーナスが期待できます。経済の高度化などを背景に、購買力が高いとされる中間所得者層も増加傾向。それでもまだインドの1人当たりのGDPは中国やロシア、ブラジルなどと比べても大幅に低い水準で、経済成長期はまだ初期段階だといえることも魅力です。

米国とIPEF(インド太平洋経済枠組み)を提携し、経済連携を深めており、経済的にも世界でのその存在感を着実に高めてきているのです。ただインドのルピーが安いこと、インフレ圧力やモディ首相の後継者問題、パキスタンとの対立などリスクもあることは覚えておいてください。

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