はじめに
能登半島地震で被災された方、またそのご家族の方には心よりお見舞い申し上げます。被災地・石川県では、住宅などの建物の被害が大きく、背景には地震に対して強くない構造の建物が多かったことがあるそうです。大切なマイホーム。地震の多い日本では、取得時はもちろん居住中の住まいの地震対策が大切です。
今回は、暮らしを守る住まいの地震対策を3つご紹介します。
【1】ハザードマップを確認
まずは今お住まいのエリアのハザードマップを確認しましょう。ハザードマップは大規模な自然災害のときに、被害を受けると予想される場所や程度などを示した地図の総称で、一般的に、洪水・土砂災害・内水・ため池・高潮・津波・火山の噴火などの災害の種類ごとに作られています。
ハザードマップは市区町村が配布する紙ベースのものもありますし、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」でも確認できます。ハザードマップポータルサイトでは「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」が利用できます。「重ねるハザードマップ」では、地域を指定し、災害の種類別に想定されるリスクを調べることができます。また「わがまちハザードマップ」では、市区町村が作成した詳細なハザードマップを調べることができます。
今は不動産取引時に水害リスクをハザードマップで示すことが不動産業者に義務付けられていますから、水害リスクならマイホーム取得時にハザードマップで確認したという方も多いでしょう。しかし、地震のリスクについてはどうでしょうか。「日本は地震大国ですからね。どこも似たようなものですよ」などと聞き、土地の地震リスクについては確認しないまま、ということはありませんか。重ねるハザードマップでは想定される津波のリスクや土地の特徴・成り立ち、わがまちハザードマップからは各自治体のWebページで地震により想定される“ゆれやすさ”や液状化、建物被害などを調べることができます。
ハザードマップの整備状況は自治体により異なります。また、見直されることもあります。すでに確認している、という方も住んでいる市町村のWebサイトなどとあわせて定期的に確認しておきましょう。
【2】住まいの耐震チェック
地震による万が一の時にも暮らしを守るには、地盤はもちろんですが、地震に強い建物も大切です。自宅の耐震性は耐震等級で測ることができます。耐震等級は【表1】のとおりです。
建築基準法の改正により耐震基準は1981年に大きく見直されています。耐震等級1は、1981年以降に適用された耐震基準を満たすもので、数百年に一度発生する程度の地震(東京の場合震度6強から7程度)で倒壊しないレベル、数十年に一度発生する地震(東京の場合震度5強)で損傷しない耐震性のレベルを表しています。
【誰でもできる わが家の耐震診断】というサイトでは、10の問診に答えることで学びながら簡易な耐震診断(木造住宅)ができるようになっています。
耐震性に不安がある場合は、早めに専門家に耐震診断を依頼し、必要に応じて耐震補強を相談しましょう。すでに耐震性を備えていると思われる場合も、屋根や外壁などで修繕が必要な箇所があるのであれば早めに修繕を行いましょう。過去に大きな地震を経験していたりすると、外見では分からないダメージを蓄積している可能性もあるそうです。また設計上の耐震等級と実際の耐震等級は異なるケースもあります。
耐震診断の費用については、国と自治体からの補助金で、自己負担額を抑えられる可能性もあります。補助金を利用するにあたっては申請できる期間が決まっています。お住まいの自治体のWebサイトなどで実施状況を確認しましょう。