はじめに

株主優待を新設した5社

◆ジェーソン【3080】(1月11日発表)
ジェーソンは首都圏でディスカウントストアをチェーン展開する企業です。
500株以上の保有で、ジェーソンで使える優待買物割引券(8,000円分)または、ナチュラルミネラルウォーター「尚仁沢の天然水」(500ml×24本×4箱)がもらえます。権利確定月は2月です。

◆扶桑薬品工業【4538】(1月15日発表)
扶桑薬品工業は医療用医薬品を製造している会社です。優待内容は株主限定の特設ウェブサイト「プレミアム優待倶楽部」のポイントです。400株以上の保有で4,000ポイント、500株以上で6,000ポイント、600株以上で15,000ポイント、1,000株以上で20,000ポイント、1,500株以上で40,000ポイントがもらえます。権利確定月は3月です。

◆日本エコシステム【9249】(1月19日発表)
日本エコシステムは公営競技場のトータリゼータシステムを製造している会社です。優待内容は「オリジナルQUOカード」で、200株以上の保有で年間30,000円分(各回15,000円分)のQUOカードがもらえます。権利確定月は3月・9月です。

◆フジオーゼックス【7299】(1月30日発表)
フジオーゼックスは、自動車用のエンジンバルブを製造している会社です。優待内容は「全国共通商品券」です。株式継続保有期間1年以上が条件で100株以上の保有で2,000円分、300株以上で4,000円分、500株以上で6,000円分、1,000株以上で10,000円分の全国共通商品券がもらえます。※2025年3月より実施されます。権利確定月3月です。

◆ソフィアホールディングス【6942】(1月31日発表)
ソフィアホールディングスは、インターネット関連事業を行う会社です。優待内容は、100株以上の保有で、タルトの専門店の「キル フェ ボン」で使えるギフトカード3,000円分、500株以上で同ギフトカード6,000円分+加工食品等、1,000株以上で同ギフトカード6,000+加工食品等+NMN健康食品等がもらえます。権利確定月は3月・9月です。

新設した企業の共通点

上記5社のうち4社(フジオーゼックス以外)は、東証が設けている上場維持基準を満たしていない企業です。ジェーソンは流通株式比率、扶桑薬品工業とソフィアホールディングスは流通株式時価総額、日本エコシステムは、流通株式比率と流通株式時価総額が不適合となっています。

東証は昨年、プライム市場などの上場基準を満たしていなくても暫定的に上場を認める「経過措置」を実質4年で終わらせる案を公表しました。経過措置は2022年4月の市場再編を起点に3年で終了し、その後1年の改善期間を設けます。経過措置の終了時期は決算期によって異なります。3月期決算の場合は25年3月まで、9月期決算なら25年9月までとなります。

経過措置の終了時点までに上場基準を満たした企業が株主優待の新設・拡充によって株価を上昇させたい狙いがあったように感じ取れます。その狙い通りに優待の新設を発表した後の株価はいずれも堅調に推移しています。但し、一過性の優待の場合も考えられるので株の保有には十分気をつけましょう。今後も上場基準が不適合の企業が株主優待などの株主還元を行う事が予想されます。

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