はじめに
米エヌビディアの第1四半期決算には要注目
さて、ここからが本題です。株価には、その企業の業績の動向が大きく影響します。史上最高値の更新後、日経平均はもみ合いの様相を呈していますが、この先、どんどん上値を追いかけていくのか、それとも反落に転じるのか。そのカギを握るのはやはり半導体関連銘柄だけに、各銘柄の決算発表の数字は気になるところです。半導体関連の大手企業は、ほぼ3月決算。つまり、あと1カ月ほどで、2024年3月期の決算数字と、来期(2025年3月期)の業績見通しが発表されるということです。ここでの決算数字および業績見通しが、今後の日経平均の先行きに関して、大きなキモになるでしょう。
現在、日経平均に最も大きな影響を与える東京エレクトロンは、例年、ゴールデンウィークの前後に決算を発表しています。過去のスケジュールを見ると、2021年3月期までは連休前に発表されていましたが、2022年3月期より、連休明けの5月10日前後の発表となっています。ソフトバンクグループも同じ5月10日前後。アドバンテストは4月26日に発表を予定しています。
2023年3月の決算では、東京エレクトロンやアドバンテストがスマホ向けの市況低迷などによって減収減益を予想するなど、「素晴らしい内容」とは言えないものになることが見込まれています。ただ、円安によって収益が底上げされているほか、いま大流行中の生成AI向け市場が急拡大しているため、市場の予想を上回ってくる可能性があります。株価にとってはさらに重要となるのが来期の見通しで、アナリストや投資家たちの視線は、そこに集中することになりそうです。
もう一つの注目は、生成AI向け半導体で約8割という、圧倒的な世界シェアを誇る米エヌビディアの決算です。現在、同社は世界中の半導体関連企業の株価の命運を握っていると言っても過言ではありません。実際、2024年2月21日に発表された同社の決算は市場予想を大きく上回るなど絶好調だったことから、翌22日の半導体関連株の株価は急上昇。日経平均を押し上げました。
エヌビディアは1月決算企業のため、次回の決算発表(第1四半期)は5月中旬~下旬、現地5月20日過ぎに予定されています(2023年の第1四半期決算の発表は5月24日)。第2四半期発表は8月中旬~下旬です(同8月23日)。この決算で、成長スピードが市場予想を上回ってくれば、日本の半導体関連株の株価は上昇し、日経平均にも大きな追い風になるでしょう。反対に成長減速となれば、これまで株価の急伸が続いてきただけに、売り注文が殺到することが予想されます。その場合、日経平均も無傷では済まないでしょう。
ここまで、歴史的なスピードで上値の階段を駆け上がってきた日経平均株価。もし、株式に投資をしているなら、4月から5月にかけての主要な半導体関連企業の決算には要注目です。
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