はじめに

年初から急上昇が続いていた株式相場。202年2月22日には、日経平均株価が1989年に付けたバブル時の最高値3万8915円を約34年ぶりに更新し、話題となりました。証券会社のコールセンターには、株式投資についての問い合わせが殺到しているそうです。

年初からの日経平均株価の上昇をけん引してきたのは、間違いなく半導体関連株です。それだけに、今後の日経平均株価の動向にも大きな影響を与えるでしょう。今回は、半導体関連企業の決算スケジュールに注目。今後の日経平均の動向を占います。


3銘柄の株価が日経平均の値動きの半分を占める!?

日本を代表する株価指数である日経平均株価は、実に34年ぶりとなる最高値の更新を果たしました。終値ベースの高値3万8915円だけでなく、ザラ場(ザラバ:東証で株価が動いている時間帯)中の高値である3万8957円も、一気に抜き去りました。証券会社のオフィスでは、高値を更新した瞬間に拍手が起こるなど、業界も沸き立っているようです。この「34年ぶりの高値更新」というニュースを受けて、新たに株式投資を始めたり、再開したりする人が続出しているはずです。

これまで、米国のニューヨーク・ダウ指数やドイツのDAX指数など、世界の主要株価指数が最高値の更新を続けるなか、日経平均は低迷が続いてきました。たしかに、日経平均が高値を更新してきたこと自体は喜ばしい出来事ではありますが、同じ期間内でニューヨーク・ダウは15倍以上、DAX指数が12倍以上に値上がりしています。それを考えると、単に30年前の高値を更新したというだけでは、両手を揚げて万歳というわけにいかないでしょう。今後も、日本の株式相場の上昇を期待したいところです。

日経平均株価が年初の3万3000円台から、わずか2カ月足らずで5000円以上も上昇した最大の要因は、半導体関連株の株価急上昇です。日経平均株価は、日経新聞社が東証プライム市場に上場する銘柄の中から225銘柄を選出し、その225銘柄の株価の合計から計算されています(単純に合計値を225で割るわけではなく、銘柄の入れ替えや株式分割などが考慮された数字=序数で割って算出)。かなり単純な計算方法だけに、株価が高い銘柄の影響を大きく受けるのが特徴です。

日経平均の値動きに対して、ある1銘柄が与えた影響を「日経平均株価への寄与度」と呼びます。たとえば2月13日月曜日、日経平均は前週末比1066円の上昇と、年明け以降、最大の上昇を記録しました。この日の日経平均株価の寄与度をみると、半導体製造装置大手の東京エレクトロンがプラス396円と、1銘柄で日経平均を400円近くも押し上げました。ほかに、同じく半導体検査装置のアドバンテストがプラス48円、傘下に世界的な半導体設計大手のアーム社を抱えるソフトバンクグループがプラス100円。つまり、この日の1066円の上昇のうち500円以上、約半分をこの半導体関連株3銘柄の株価上昇分が占めたことになります。

ソフトバンクグループを半導体関連でくくるのは少々乱暴と思われる方がいるかもしれません。ただ、同銘柄の株価を押し上げた要因が「アーム社の株価急騰」だったため、この分類分けは自然と言ってもいいでしょう。この3銘柄のほかにも半導体シリコンウエハーで世界トップの信越化学、半導体製造装置大手の一角を占めるSCREENホールディングス、先端半導体向け検査装置メーカーのレーザーテックなど、「日経平均寄与度ランキング」の上位には、毎日のように半導体関連株がズラリと並びます。仮に、上記3銘柄の株価が全く上昇していなかったら、日経平均は史上高値更新に、まだまだ及んでいない水準になっていたでしょう。

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