はじめに

トマト製品や唐辛子、ハム・ソーセージも

キッコーマンでは、デルモンテおよびキッコーマンブランドのトマト製品の値上げが目立ちます。ケチャップやトマトジュース、野菜ジュースなど計88品目の価格改定です。引き上げ率は5~23%です。主力商品の「デルモンテトマトケチャップ」(300グラム)は希望小売価格を292円から319円に27円引き上げとなります。

ハウス食品では唐辛子類を20.4~32.5%値上げ、味の素AGFではインスタントコーヒーを20~25%値上げ、日本ハムではハム・ソーセージほかを1.1~27.6%値上げ、にんべんではだし、たれ類など5~11%値上げの予定です。どれも一般家庭の食卓に並ぶ身近な食品ですので家計への影響が気になります。一方で、値上げをした企業は数多くありますが、業績など新年度相場でどのように数字に表れるのかもとても気になります。

値上げ要因は、原材料高のほか、円安(31.8%)や人件費(23.0%)となっていて、これらの項目は前年に比べ2倍近い状況となっています。「物流の2024年問題」(2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の960時間上限規制などが適用)により労働時間が短縮され「モノが運べなくなる」懸念への対応から物流費が上昇し、夏以降も値上がり傾向の可能性があります。

賃上げは食品値上げに追いつかず

現時点では、賃金の上昇が物価の上昇に追いついていません。そんな中、今春上場企業を中心に賃上げが続々と表明されました。サントリーHD(2587)、キリンHD(2503)、イオン(8267)、伊藤忠商事(8001)、みずほFG(8411)などです。

大企業においては直接的な円安効果や内部留保にあたる利益剰余金などで賃上げをまかなえる仕組みが成り立ちますが、中小企業の賃上げは容易ではありません。日本の中小企業での雇用者は約7割にあたりますので、多くの人々の暮らしが苦しい状況に置かれています。消費者庁のHPでは「長らく凍結されていた賃金に上昇の機運が生じてきたのは大きな変化と言えます。 物価上昇のピンチを賃金上昇につなげるチャンスです!そして、賃金が上がり、経済が成長し、私たちの生活が豊かになる日本を目指します」と呼びかけています。今が耐え時なのかもしれませんが、一刻も早くその通りになるよう今後の状況を注視していきます。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward]

この記事の感想を教えてください。