はじめに

今日は6月27日、受け渡しベースではすでに7月相場入りです。早いもので2024年の上半期も終了です。2024年前半の日本株相場を簡単に振り返ると、年明けから上昇基調が強まり、2月22日、日経平均株価は1989年の大納会でつけた史上最高値の3万8915円を更新しました。 3月4日には4万円台に乗せました。史上最高値更新の1ヶ月後、3月22日に4万888円まで上昇し、目下のピークをつけました。


3月のピーク以降はボックス相場が続く

そこまでは絶好調だったのですが、今年度に入ったとたんに、株価は勢いを失いました。4月下旬には中東情勢の緊迫化もあり、一時3万7000円台を割り込む場面もありました。しかし、4月末には3万8000円台を回復、そこからの2ヶ月間はずっと3万8000円~3万9000円強のレンジでのボックス相場が続いてきました。

ボックス相場の特徴でもありますが、下値は堅い一方、上値の重さも目立ちました。3万9000円を上回ると売りがかさんで再び3万8000円台に押し戻される展開が続いてきました。

ところが6月月末にかけて騰勢が強くなりました。受け渡しベースで月内最終日となった6月26日にかけて日経平均は3日続伸。特に26日は急伸し、一時600円以上、値上がりして4万円の大台に迫る場面もありました。これで約2ヶ月に及んだボックスを上放れました。TOPIXは3月22日以来、約3ヶ月ぶりに終値で2800ポイントを上回りました。TOPIXで見れば、年初からの高値圏にほぼ戻ったと言えるでしょう。

日経平均を押し上げたのは半導体関連銘柄

この急騰の直接の要因はエヌビディア(NVDA)の上昇でした。6月25日にエヌビディアが7%高と4営業日ぶりに反発したことを受け、東京市場で半導体関連銘柄が買われました。また、このタイミングでアドバンテスト(6857)が25日に3カ年の新中期経営計画を発表しており、それが好感され、同社の株価は一時8%高まで急騰。半導体株の代表である東京エレクトロン(8035)にも買いが波及し、この2銘柄で日経平均を200円以上押し上げた格好です。

グラフ1は今年度に入って以降のエヌビディアと日経平均の変動率の推移を示したものです。

【グラフ1】エヌビディアと日経平均の変動率の推移(赤:日経平均、青NVDA)

出所:マネックス証券ウェブサイト

日経平均がボックス圏での動きに終始している間、エヌビディアは一本調子に上がり続けました。エヌビディア株は先週18日に最高値を更新したあと、3日間で10%を越える大幅安となりました。日本株の底入れ~上放れの兆しが出たのは、むしろそのタイミングです。こう考えるとエヌビディアが反発し、日本の半導体株が買われたというのは、26日だけに限った話であったと言えるでしょう。

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