はじめに
パッシブ運用とアクティブ運用
運用比率はパッシブ運用が82.31%、アクティブ運用が17.12%で圧倒的にパッシブ運用の比率が高い状況です。パッシブ運用とは、投資信託等の運用手法による分類のひとつで、運用目標とされるベンチマーク(日経平均株価やTOPIX等の指標)に連動する運用成果を目指す運用手法のことをいいます。
一方、ベンチマークを上回る運用成果を目指す運用手法のことを「アクティブ運用」といいます。株式に限定して見てみると国内株式のパッシブ運用は23.90%、外国株式のパッシブ運用は22.49%です。一方国内のアクティブ運用は1.12%、外国株式のアクティブ運用は3.08%となっています。国内株ではTOPIX、外国株ではMSCIに連動するインデックス売買が主流です。
リスク管理の哲学
リスクに関してGPIFで重視しているのは「年金財政上必要とされている長期的な収益が得られないリスク」です。したがって市場の一時的な変動による短期的なリスクについてはあまり問題視しておらず、「長期の運用実績の大半は基本ポートフォリオによって決まるとされていることから見ても、基本ポートフォリオが運用リスク管理の根幹である」としています。4つのリスク(市場リスク、流動性リスク、信用リスク、カントリーリスク)を適切に管理するとともに、各種リスク指標を適時把握し、長期的なリスク・リターンを勘案した適切な措置を講じている、としています。
ここまでお伝えしてきた通り2020年度以降、特に2023年度は見事なまでの運用成績のGPIFですが何故かニュースなどでは、それ程大きく報道されていません。マイナスの年には通常の報道に加えワイドショーなどで連日報じられる事もあり、情報の扱いに不平等さを感じます。一般的には良い時も悪い時もあるのが相場の世界です。このまま好調でプラス推移してほしいと思いますが、好パフォーマンスばかりを望むのは難しいと思います。これまで2001年、02年、07年、08年、10年、15年、19年(度)はマイナスでした。個人的には今後マイナス報道の年があったとしても躍起にならず、2023年度のような好パフォーマンスの年を思い出し、少し広い目線で行く末を見守りたいと思います。
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