はじめに

日本の住宅市場では新築住宅が好まれてきましたが、近年、その傾向に変化が見られます。不動産価格の上昇や空き家問題などを受け、中古住宅を購入してリフォームをする人が増えています。さらに、モノを大切にする意識の高まりやSDGs(持続可能な開発目標)の普及により、既存の建物を有効利用することで、資源の無駄遣いを減らし、環境負荷を軽減する考え方も広まりつつあります。

では中古住宅のリフォームにも住宅ローンは利用できるのでしょうか? 本記事では「リフォーム一体型住宅ローン」についてご紹介します。マイホーム購入を考えている方はぜひ「リフォーム一体型住宅ローン」を使った中古物件のリフォームも選択肢として加えていただけたらと思います。


中古住宅のリフォームが増えている理由

2022年のフラット35利用者調査によると、中古住宅の利用率は2012年の12.6%から10年で24.1%まで上昇しています。それに伴い、リフォーム市場も拡大しつつあります。その理由はいくつか考えられます。

1.コスト削減:新築住宅に比べて価格が安い
2.立地の良さ:新築物件に比べて駅近や便利な場所に多い
3.カスタマイズ性:新築物件よりも物件を安く買えるため、リフォームで好みの空間を作りやすくなる
4.補助金制度や減税制度の整備:国を挙げて中古住宅の推進を進めている
5.環境への配慮:既存の建物を活用するので、環境にやさしい
6.SNSの活用:SNSが普及したことにより、以前よりもリフォームに関する情報が得やすくなっている

中古住宅を選択することが、経済合理性の高い判断というだけではなく、環境や社会に対する前向きな行動としても捉えられるようになってきています。その結果、中古住宅に対する抵抗感が薄れ、むしろポジティブな選択肢として認識されるようになってきているのです。

一方で、中古物件は築年数が経っているため、新築物件よりもメンテナンス費用が多くかかったり、購入時にわからなかった欠陥が後々出てきたりする可能性もあります。そのため購入時には専門家による住宅診断(ホームインスペクション)など、事前に物件の状態を把握しておくことも大切です。

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