はじめに

金融市場には周期的に暴落が訪れます。

今月大きな暴落が起きたばかりですが、こうした暴落時に、多くの投資家は大きな損失を被る一方で、ある種の資産はその価値を保ち、さらには上昇することさえあります。暴落に強い資産をポートフォリオに組み入れることで、全体のリスクを分散し、資産を守ることができます。この記事では、暴落時に強いと言われる資産の種類と、その資産をポートフォリオに組み入れることの強みについて詳しく解説します。


1. 金(ゴールド)

【ポートフォリオに金を組み入れる強み】
◆価値の保存:金はインフレや通貨の下落に対するヘッジとして機能します。
◆リスク分散: 金をポートフォリオに加えることで、全体のリスクを分散する効果があります。特に、株式や債券市場が下落する際に金が価格を保つことで、ポートフォリオ全体の安定性が向上します。
◆高い流動性:金は世界中で取引されており、高い流動性を持っています。これは、必要に応じて迅速に現金化できるという強みを意味します。

【なぜ金が暴落に強いのか?】
金は、古代から価値の保存手段として使用されてきました。そのため、世界中の投資家が金を安全資産と見なしています。特に、金融市場が不安定な時期や、経済が不透明な状況において、金の需要は急増します。これは、通貨や株式と違って、金にはインフレやデフレ、為替リスクに対する耐性があるためです。

歴史的にも、金は市場の暴落時にその価値を維持するか、あるいは上昇する傾向があります。例えば、2008年のリーマンショック時には、世界中の株式市場が急落する中で、金の価格は急上昇しました。これは、リスク回避のために投資家が資金を金に移動させたためです。

ただ、今回の暴落では同じく下落をしています。その前にかなり買われていたこともあるでしょう。暴落の際に必ず上がるとは言えませんが、インフレ時代が到来していく中で、長期投資をする上では、ポートフォリオの一角に入れるとヘッジになる事はまず間違いないと言えるのではないでしょうか。

金への投資としては現物や先物、CFDなどたくさんの選択肢がありますが、「金の果実 純金」(1540)など、ETFで少しずつ買うという選択肢もあります。

2. 国債

【ポートフォリオに国債を組み入れる強み】
◆安定した収益::国債は定期的に利息を支払うため、安定した収益を期待できます。株式市場が不安定な時期でも、国債の利子収入はポートフォリオ全体の安定性を支える役割を果たします。
◆資本保全:国債は元本の返済が保証されているため、資本保全の手段として優れています。特に長期の国債は、低リスクで投資資産を保全する効果があります。
◆市場の逆相関: 株式市場が暴落する際に国債の価格が上昇する傾向があるため、ポートフォリオ全体のリスクを軽減することができます。

【なぜ国債が暴落に強いのか?】
国債は、政府が発行する債券であり、一般的に非常に安全な資産とされています。特に、アメリカの国債(米国債)はアメリカ合衆国政府が元本と利子の支払いを保証しているため、「リスクフリー資産」として債券市場において特に信用度の高い金融商品の一つとして世界中の投資家に信頼されています。暴落時には、株式市場から資金が流出し、相対的にリスクの低い国債に資金が流れ込む傾向があります。

さらに、経済が不安定な状況でも政府は国債の利払いを続ける義務があるため、安定した収益を期待することができます。新NISAでも投資信託やETFなどを通じて、間接的に米国国債に投資することが可能です。

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