はじめに

年収の壁で気になるポイント・疑問に思いがちなポイントをQ&A形式でご紹介。悩みを解決して、年収の壁をどうするか考えていきましょう。


Q. 扶養に入りながら働くなら年収いくらがお得なの?
A. 老後の年金を考えず、現在の手取り最大化を目指すなら、年収105万円または129万円!

【解説】
扶養から外れないようにして、できるだけ手取りを減らしたくないのであれば、年収を100万円以内に収めれば、税金も社会保険料も発生しません。ただ、税制上の壁(100万円の壁・103万円の壁)を超えても生じる税金はそれほど多くありません。

むしろ気にすべきは社会保険上の「106万円の壁」「130万円の壁」。これらを超えると多額の社会保険料が発生するため、扶養に入る前提ならば年収は105万円または129万円までに抑えておくのがよいでしょう。

106万円の壁に該当するのは下記のすべての条件を満たす人。それ以外の人は基本的に130万円の壁が該当します。

「パート・アルバイトで働く人のための「年収の壁」で損しない本」(宝島社)より

Q. 「106万円」「130万円」の壁を超えて稼ぎたい人は、いくら稼げば社会保険加入前の手取りになる?年金はいくら増える?
A. 106万円の壁に当てはまる人は125万円、130万円の壁に当てはまる人は153万円が目安! 年収153万円で20年働くと、厚生年金は年約16万円増える!

【解説】
年収が106万円(または130万円)を超えると、社会保険料の支払いが発生するため、手取りが減ります。106万円の壁に当てはまる人は年収約125万円、130万円の壁に当てはまる人は年収約153万円まで働くと年収129万円のときの手取りを回復します。

年収125万円(または153万円)以上働くと、税金や社会保険料も増えますが、その分手取りも増えるので「働き損」のような事態は起こりません。

仮に、年収153万円(月収12万7500円)で20年間厚生年金に加入していた場合、厚生年金は年16万5700円(月約1万3800円)増える計算ですので、老後の年金額は国民年金81万6000円+厚生年金16万5700円=年98万1700円に増えます。65歳から30年間年金をもらうとすると、厚生年金の総額は16万5700円×30年=497万1000円となります。

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